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政策ウォッチ

金融庁、「〇〇バンク」等の提携アプリに提供銀行の明示を義務付け

金融庁が11月6日から適用した改正監督指針により、提携事業者が「バンク」の名称を冠して提供するアプリでは口座の提供元が銀行であることを利用者へ明示する必要が生じ、顧客を銀行へ送客する事業者も銀行代理業の許可が必要となる場合がある

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月9日3分で読める
一列に並んだ空白のスマートフォン画面の下に銀行の窓口と元帳が描かれ、境界線で隔てられつつ細いケーブルでつながっているイラスト。

金融庁は2026年11月6日、APIや提携事業者のアプリを通じて提供される銀行サービスに関する監督指針の改正を同日から適用すると発表した。同年7月30日から8月31日まで実施した意見募集(パブリックコメント)の結果も公表し、9の個人・団体から延べ21件の意見が寄せられたとした。

利用者への明示事項

銀行と提携事業者がアプリやウェブサイトを通じてサービスを提供する場合、監督当局は、アプリの提供主体、銀行サービスの内容と提供銀行、銀行と事業者の関係、事故発生時の責任の所在と補償、問い合わせ先が利用者に説明されているかを確認することになる。

サービスが「〇〇バンク」のような名称で提供される場合、指針はさらに3点の説明を求めている。具体的には、その名称が銀行と事業者の連携サービスの名称であること、預金の受け入れや送金、口座振替は銀行のサービスであり利用には同銀行での口座開設が必要であること、そして提携事業者は銀行サービスを提供できず、また行うものではないことだ。これらの情報は、利用者が容易に確認できる場所と方法で明示しなければならない。また、顧客情報の提供を受ける場合には、情報の受領者と利用目的を明示し、顧客の同意なく目的外に流用されないための措置が講じられているかを確認するとしている。

「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」にも同じ文言が盛り込まれ、金融サービス仲介業者向けの指針にも同様の規定が追加された。「系統金融機関向けの総合的な監督指針」および「漁協系統信用事業における総合的な監督指針」も改正された。

銀行代理業に該当する境界

改正指針では、インターネット上の表示であっても、特定の者に対して銀行との契約締結に向けた誘引行為を行っていると評価できる場合は、原則として銀行代理業の許可が必要となる「媒介」に当たり得るとしている。自社の利用者を銀行に送客する事業者は、取引相手が銀行であり説明もその銀行が行うことをあらかじめ明示していれば、媒介には当たらないとみなされる。ただし、独自に情報を追加したり、説明内容を加工したり、勧誘や推奨、条件交渉を行ったりしないことが条件となる。媒介に該当するかどうかは、一連の行為全体を踏まえて判断されるとも明記された。

比較サイトについては、銀行から提供されたコンテンツをそのまま転載することは差し支えない。ただ、コンテンツを加工したり、サイト側が推奨する商品を上位に表示するデザインやアルゴリズムを設けたりする場合は、媒介に該当する可能性がある。

寄せられた意見への金融庁の見解

金融庁は大半の質問に対し、APIやAIツールを用いる場合も含め、媒介に当たるかは個別具体的な事実関係に基づき判断されるとして、一律の基準を示すことを控えた。預金金利などの客観的な指標によるランキング表示が問題ないかとの質問に対しては、表示方法やページ上の他の記載内容によっては許可が必要となる場合があるとした。また、クリック課金型の広告契約や銀行バナーの視認性を高める工夫については、判断の一要素になり得るとの考えを示した。

意見募集では、適用までに少なくとも6カ月間の準備期間を設けるよう求める声があった。指針は公表日から適用されるが、金融庁は、改善に向けた適切な対応が進められている限り直ちに問題視されるものではないとし、態勢整備が不十分な場合は速やかに取り組む必要があるとの見解を示した。また、明示事項はすべての画面に表示する必要はないものの、利用者が容易に確認できるようにしなければならないとした。

「主要行等向けの総合的な監督指針」のうち金融商品・サービスの提供に関する項目(III-6-1)の改正については、行政手続法第39条第4項第8号が定める軽微な変更に該当するとして、意見募集手続を実施しなかった。