ローム(6963)の2026年11月6日付の上期決算説明会資料によると、同社は炭化ケイ素(SiC)事業の黒字化達成時期の目標を従来のFY2028からFY2027へ1年前倒しした。同資料ではこれを達成済みの実績ではなく目標と位置付けている。
黒字化に向けた前提条件
説明会資料には目標達成に向けた具体策が盛り込まれた。今年度から段階的にAIサーバー向け需要の増加と値上げ効果によってSiC事業の利益率を引き上げる計画だ。宮崎第2工場では8インチデバイスの生産開始を計画から1年前倒しし、FY2027第2四半期に稼働させる。筑後工場の6インチラインはFY2028までに8インチへ転換する予定だ。同工場では第5世代の8インチSiC MOSFETの量産を開始しており、10月から売上に寄与しているほか、年度末に向けて大幅に増産する計画となっている。
もっとも、現時点では黒字化には至っていない。上期の半導体素子セグメントの損益は44億円の赤字(前年同期は98億円の赤字)だった。ロームはSiCデバイスの品質トラブルに伴い、一時的に歩留まりが悪化したことも挙げている。
増収率を上回る増益ペース
上期の売上高は14.4%増の2795億円、営業利益は77億円から175億円に拡大した。基板事業を除くSiC売上高は前年同期比55%増、サーバー関連売上高は約66%増となった。ロームは通期のサーバー向け売上高を94.1%増と予想しており、生産能力を上回る受注が続いて受注残が増加しているという。
通期の営業利益見通しは500億円と、期初計画の300億円から200億円上方修正した。ロームは増益要因として売上数量の増加を挙げており、材料費および在庫の影響による233億円の押し下げ要因を吸収する見込みだ。また、金建値が期初想定を下回ったことで変動費負担が軽減したほか、不採算製品にも値上げ対象を拡大したことを挙げている。
配当と協議
中間配当は1株当たり25円で、期末も同額の25円とし、年間配当は50円を予定している。説明会資料によると、事業・経営統合に関する協議は継続中としているが、相手先や条件は明記されていない。
これまでの経緯はTokyo Briefの過去記事を参照。
