大塚ホールディングス(4578)は2026年12月期の利益見通しを上方修正する一方、売上収益予想は2兆7250億円に据え置いた。第3四半期決算短信(短信)によると、事業利益は7月時点の予想の4700億円から5000億円に引き上げた。事業利益は同社独自の指標で、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費を差し引き、持分法による投資損益を加減算して算出する。
業績予想の修正内容
営業利益予想は4880億円(従来予想は4690億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益予想は3700億円(同3550億円)とした。同社によると、売上総利益が従来予想を上回って推移しているほか、一部プロジェクトの見直しなどにより研究開発費が従来予想の3850億円を下回る3730億円にとどまる見通しだ。想定為替レートは1ドル=158円、1ユーロ=185円としている。
同社によると、医療関連事業では抗精神病薬とボイザクトが予想を上回って推移している。一方、ニュートラシューティカルズ関連事業の機能性飲料は予想を下回る見込みだ。両者がほぼ相殺し合うため、売上収益予想は据え置いた。
新薬上市が減収を補う
抗APRIL抗体のボイザクトは2025年11月、成人のIgA腎症を対象に米国で迅速承認を取得し、同クラス初の治療薬として発売された。今年の1〜9月期の売上収益は355億円となった。抗精神病薬は21.4%増の2965億円に伸びた。
一方、減収となったのは常染色体優性多発性のう胞腎治療用のV2-受容体拮抗剤だ。米国での独占販売期間が終了し、後発医薬品が浸透したことで、売上収益は31.1%減の1251億円に落ち込んだ。
1〜9月期実績
売上収益は12.3%増の2兆400億円、事業利益は19.2%増の4369億円となった。一方、営業利益は4.0%増の4237億円にとどまり、税引前四半期利益は7.5%増の4223億円だった。その他の収益は前年同期の594億円に対し、101億円だった。
同社は中東情勢や米国の医薬品価格制度、関税政策を巡る不確実性が通期業績に与える影響は限定的と仮定している。ただ、状況が変化した場合には、資産や負債、収益、費用の報告額に重要な影響を及ぼす可能性があると注意を促している。
