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横浜冷凍、Hofseth減損で純損益予想が63億円の黒字から138億円の赤字に転落

横浜冷凍はノルウェーのサーモン提携先Hofsethへの投融資残高のほぼ全額を減損処理して242億円の特別損失を計上し、最終損益予想を黒字から138億円の赤字に下方修正した。一方、売上高と営業利益予想は引き上げ、取締役は報酬を自主返上する。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月30日4分で読める横浜冷凍2874
冷蔵加工ライン上のサーモンの切り身と、資産価値の下落を示す階段状の図

横浜冷凍(2874)は、ノルウェーのサーモン提携先であるHofseth International ASへの投融資残高のほぼ全額を減損処理し、2026年9月期の最終損益予想を黒字から赤字へ下方修正した。投資有価証券評価損236億円と貸倒引当金繰入額5億円を計上した。補足資料によると、株式・社債・貸付金を対象とする特別損失の合計は242億円となる。

同社は、保有するHofseth関連資産の実質価額が帳簿価額を著しく下回っていると判断し、Hofsethおよびその関係会社に対する投融資残高の実質全額を損失処理したとしている。

最終損益にとどまる損失影響

横浜冷凍は現在、連結の親会社株主に帰属する当期純損益を138億円の赤字(前回予想は63億円の黒字)、1株当たり当期純損益を230円87銭の赤字(同106円62銭の黒字)と見込む。前期実績は19億8000万円の黒字だった。個別ベースの修正後予想は145億円の最終赤字となる。

2026年9月期通期連結業績予想
前回予想は2026年8月14日公表、修正予想は2026年10月30日付。金額は同社の百万円単位の表から億円単位に端数処理して表示
項目前回予想修正予想
売上高1250億円1305億円
営業利益70億円71億円
経常利益64億円66億円
親会社株主に帰属する当期純利益63億円▲138億円

修正はすべて下向きというわけではない。売上高は1250億円から1305億円へ、営業利益は70億円から71億円へ、経常利益は64億円から66億円へそれぞれ引き上げられた。同社によると、これらの項目はおおむね計画通り推移しており、今回の修正にはHofseth関連の損失に加え、9月24日に開示した債権および株式の譲渡に伴う債務保証損失引当金戻入益47億円、貸倒損失25億円、投資有価証券売却益5億円が反映されている。

同社によると、今回の減損処理は売上高や営業利益への影響はなく、資金流出も伴わない。総資産は299億円減少し、内訳は特別損失の計上による減少が242億円、その他有価証券評価差額金の減少によるものが57億円となっている。配当予想に変更はない。

投融資の累計額と回収状況

補足資料によると、2015年以降のHofsethグループに対する累計投融資額は約449億円に上る。このうち約198億円を回収済みで、利息・配当金などの累計収益は約97億円だった。投融資残高は約251億円となっていた。同社は2020年以降、同グループへの投融資を拡大しておらず、投融資回収フェーズと位置づけていたという。

同社は業績悪化の要因として、2024年以降のサーモン相場の変動や、2025年の米関税政策によりノルウェー製品に競合国より高い関税率が課され取引量が減少したといった外的要因を挙げている。また、Hofsethの資金需要拡大に伴う金利負担の増大も指摘した。Hofsethは2024年12月期と2025年12月期の通期、および2026年12月期第2四半期に最終赤字を計上した。横浜冷凍は食品販売事業向けの商品の仕入れに限定し、今後もHofsethからの調達を継続する。

役員報酬の減額と新たな取締役会体制

2026年11月から3カ月間、社長は取締役基本報酬の50%、常務取締役は30%、その他の常勤取締役は20%を自主返上する。2026年9月期の役員業績連動賞与は、支給対象となる取締役および執行役員の全員に支給しない。

別の開示資料によると、取締役会は2027年12月開催予定の定時株主総会で必要な定款変更が承認されることを条件に、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行することを決めた。取締役会事務局を設置したほか、2026年12月開催予定の定時株主総会で社外取締役を追加選任することも検討している。定款変更や取締役選任の詳細は確定次第公表する。

同社はまた、より厳格な事業投資基準を設定し、2026年10月1日から2030年9月30日までの新中期経営計画期間中は海外の食品関連企業への投融資を行わない方針を示した。Hofseth向けの投融資残高をほぼ全額減損処理したことで、これ以外に今回のような規模の減損処理を伴う可能性のある海外投融資案件は基本的に存在しないという。2024年11月の海外損失を受けて整備した管理体制に不備があったとは考えていないものの、こうした損失が2度生じた事態を重く受け止めているとした。