三菱倉庫(9301)は阪急阪神ホールディングス(9042)から、大阪に本社を置く国際輸送会社の阪急阪神エクスプレスの全株式を取得し、連結子会社化することで合意した。三菱倉庫が2026年10月30日に提出した臨時報告書で、同日付で株式譲渡契約の締結を決定したと明らかにした。
契約は合意されたが、取引はまだ完了していない。実行には許認可の取得や契約に定める前提条件の充足が必要で、三菱倉庫は2026年度第4四半期の完了を目指している。
取得価額
普通株式の取得対価は1201億1000万円。三菱倉庫はアドバイザリー費用などを概算で約12億2700万円と見込み、合計は概算で約1213億3700万円となる。報告書には1株当たり取得価額や決済資金の調達方法は記載されていない。
買収対象の概要
阪急阪神エクスプレスの2026年3月末時点の資本金は1億円、純資産は229億9100万円、総資産は356億300万円。利用運送事業、通関業、倉庫業、貨物自動車運送事業、輸出入貿易業、医療機器製造業などを手掛ける。
単体業績を見ると、同社は直近まで営業損益段階で赤字が続いていた。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 営業収入 | 434億7800万円 | 442億3900万円 | 454億5400万円 |
| 営業利益 | -6億円 | -11億9500万円 | 7億1300万円 |
| 経常利益 | 10億5800万円 | 15億1500万円 | 34億2500万円 |
| 当期純利益 | 11億3900万円 | -30億8300万円 | 29億4200万円 |
三菱倉庫によると、対象会社との間に資本関係や人的関係はない。一部事業で取引はあるものの、取引額は軽微としている。
戦略上の狙い
三菱倉庫は倉庫、国際輸送、港湾運送、不動産を中核事業と位置付ける。2025〜2030年の経営計画では「MLC2030 ビジョン」の下、物流事業の成長とグローバル展開を重点課題に掲げる。阪急阪神エクスプレスはアジアを含むグローバルネットワークや航空・海上輸送の専門性を備えているという。
三菱倉庫は今回の買収により、主に国際輸送事業で地域別・産業別の物流事業を強化し、顧客のサプライチェーンに対するトータルロジスティクスサービスの提供を加速させるとしている。
売り手側の動き
阪急阪神ホールディングスは2026年10月30日の取締役会で売却を決議し、同日付で契約を締結したと発表した。阪急阪神エクスプレスを国際輸送セグメントの中核会社と位置付けている。2027年3月期の関係会社株式売却益として、個別決算で約910億円、連結決算で約750億円の計上を見込む。
今回の売却に伴い既存の提携関係も解消される。阪急阪神ホールディングスと阪急阪神エクスプレスはセイノーホールディングスとの資本・業務提携を解消する。阪急阪神ホールディングスがまずセイノーホールディングス保有分の阪急阪神エクスプレス株を取得した上で、自社保有分を含む全株式を三菱倉庫に譲渡する。
