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アイシンが通期利益予想を下方修正、中国の販売減が円安増収効果を上回る

アイシンの中間期決算は円安効果で売上収益が7.3%増となったものの、資材価格の高騰や熊本地震に伴う費用、中国での販売減が響き営業利益は16.3%減となった。通期の営業利益予想も2150億円に引き下げた。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月29日3分で読めるアイシン7259
鋼板コイルと輸送用コンテナの横で工場のコンベヤー上を流れるトランスミッションハウジングと、利益よりも売上高の棒が高く描かれた抽象的な棒グラフ。

自動車部品会社のアイシン(7259)が発表した2026年9月中間期(4〜9月)連結決算は、増収となったものの減益だった。売上収益は前年同期の2兆4700億円から7.3%増の2兆6500億円に伸びた一方、営業利益は16.3%減の804億円となった。併せて2027年3月期通期の利益予想を下方修正した。

円安が増収に寄与も利益率は改善せず

同社によると、中間期は得意先の車両生産台数とパワートレインユニット販売台数が減少したものの、円安効果が減収分を上回り増収を確保した。税引前利益は17.4%減の879億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は28.9%減の497億円だった。

同社は増益要因として、円安効果に加え、自動車市場の環境変化に対応するための追加合理化や費用削減を挙げた。一方、減益要因には中東情勢に伴う資材価格の高騰や熊本地震に伴う費用計上があり、これらを特殊要因と位置づけている。決算短信では両項目の具体的な金額は示されていない。

損益計算書にも利益の圧迫が表れている。売上総利益は2780億円から2806億円へと小幅に増えた一方、販売費及び一般管理費は1875億円から2097億円に増加した。

中国・欧州が低迷、北米・インドは堅調

地域別の業績にはばらつきがみられた。販売台数が落ち込んだ中国と欧州で利益の落ち込みが最も大きかった。

アイシンのセグメント別業績(2026年4〜9月)
セグメント売上収益にはセグメント間の内部売上収益を含む。セグメント利益は営業利益ベース。増減率は前年同期比。
セグメント売上収益売上増減率営業利益利益増減率
日本1兆6551億円+6.4%227億円-10.6%
北米6702億円+17.7%119億円+41.4%
欧州1201億円-16.4%20億円の赤字前年同期は34億円の黒字
中国2675億円-9.3%74億円-63.4%
アセアン・インド3351億円+19.7%368億円+9.2%

同社によると、中国では得意先の生産台数とパワートレインユニット販売台数の減少で減収となり、企業体質改善の取り組みでは補えなかった。欧州では減収や生産準備費用の増加により営業赤字となった。日本は得意先の生産増加や円安で増収となったが、資材価格の高騰や一過性費用の計上により営業減益となった。北米は資材価格上昇の影響を受けたものの、ハイブリッドトランスミッションの増産やパワートレインユニットの販売増、関税コスト回収の進捗が寄与し増益となった。

通期利益予想の下方修正

アイシンは通期の営業利益予想を2150億円、税引前利益を2250億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を1350億円とした。いずれも2026年4月28日に公表した従来予想から下方修正した。売上収益は5兆2500億円で据え置いた。同社は中国を中心としたパワートレインユニット販売台数の減少や、為替レートなど前提条件の変化を理由に挙げており、新たな前提レートは1ドル=157円、1人民元=23.3円とした。決算短信には修正前の4月時点の予想数値は記載されていない。修正後の通期予想は前期比で営業利益が6.0%減、当期利益が21.4%減となる見通しだ。

株主還元は据え置いた。中間配当は1株当たり35円とし、期末配当40円と合わせた年間配当は75円を見込む。配当予想の修正はなかった。また、当中間期に641億円の自社株買いを実施し、期末の発行済株式数は前期末の7億5900万株から7億2600万株に減少した。

中間期の決算短信は監査人によるレビューの対象外であり、同社は今後の事業環境や為替変動によって実際の業績が予想から大幅に異なる可能性があると注意を促している。また、2026年10月29日にアナリスト向け決算説明会を開催する予定だとした。