村田製作所(6981)は、2027年3月期の営業利益予想を従来の4300億円から5200億円に引き上げた。2026年7月31日公表の予想から900億円(20.9%)の上方修正となる。売上収益予想も2兆1100億円から2兆2600億円に引き上げた。業績予想修正の発表では、データセンター関連需要のさらなる高まりで売上収益が伸びることと、生産高の増加(工場稼働率の向上)に伴う操業度益や品種構成の良化で利益が押し上げられることの2点を理由に挙げている。
| 項目 | 7月予想 | 10月予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆1100億円 | 2兆2600億円 | +1500億円(7.1%) |
| 営業利益 | 4300億円 | 5200億円 | +900億円(20.9%) |
| 税引前利益 | 4510億円 | 5320億円 | +810億円(18.0%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3380億円 | 3960億円 | +580億円(17.2%) |
前提為替レートは据え置き
第3四半期以降の前提為替レートは1ドル=155円と、7月時点の想定を据え置いた。上期の平均レートは159円37銭で、通期の前提は157円19銭となる。対ドルの為替感応度は、1円の変動につき年間の営業利益で約45億円としている。
900億円の上方修正の内訳
決算説明会資料では、修正幅の内訳を推計値として示している。生産高の増加に伴う操業度益が800億円、製品価格の値下がりが想定より緩やかに推移することが160億円、為替変動が50億円、品種構成差やその他が50億円の増益要因となる。一方、準変動費・固定費の増加が130億円、減価償却費の増加が40億円の減益要因となる。通期の生産高計画は、7月予想の2兆1300億円から2兆2780億円に引き上げられた。
需要のけん引役は一極集中している。通期のデータセンター関連の売上収益予想は、7月時点の3706億円から4250億円に引き上げられた。同区分の上期実績は前年同期比101.8%増の1649億円だった。
上期実績と下期のハードル
9月までの6カ月間(中間期)の売上収益は前年同期比20.8%増の1兆900億円、営業利益は同48.9%増の2459億円だった。これらはいずれも前年同期比の伸び率であり、通期営業利益予想の上方修正率(20.9%)とは異なる。決算説明会資料によると、新たな通期予想から算出される下期の業績は、売上収益が1兆1690億円、営業利益が2741億円となる。また、前年との比較には特殊要因も含まれており、前期の一時費用の一覧には表面波フィルタ事業におけるのれんの減損損失438億円が計上されている。
コスト上昇と需要面の懸念
村田製作所は業績予想の前提条件において、貴金属などの原材料価格の高騰やホルムズ海峡の封鎖による影響、生産増に伴う人件費の増加といったコストの上昇要因を挙げている。受注面では、長納期案件の増加や一部用途での前倒し受注への懸念について、引き続き動向を注視するとしている。また業績予想修正の発表では、実際の業績が予想と乖離する結果となりうると注意を促している。
設備投資の計画は、将来需要に対応するため、主にデバイス・モジュール製品を中心に2550億円から2700億円へ引き上げた。年間配当予想は据え置き、1500億円の自己株式取得は当初の計画どおり進める。
村田製作所は2026年11月30日に事業説明会「IR Day」をオンラインで開催する。
