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オハラ、AIサーバー向けガラス販売倍増で利益見通しを3回目の上方修正

データセンター投資の加速を受け、オハラの低誘電ガラスと光通信製品はそれぞれ売上高が約10億円へとほぼ倍増する見通しで、日本のガラスメーカーは今年3回目の通期見通し引き上げに踏み切った。カメラレンズ向け光学事業は第4四半期の在庫費用計上を控えつつなお赤字が続く。

2026年9月11日2分で読めるオハラ5218
光学ガラスのレンズブランク、低誘電ガラスパネル、光ファイバーケーブルの巻き取り品によるオハラのカメラ光学事業とAIサーバー向け素材事業のイメージ。

神奈川県に拠点を置く光学・電子ガラスメーカーのオハラは、今年に入って3回目となる通期業績見通しの上方修正を行った。その背景にあるのはカメラよりもデータセンターだ。

7月までの9カ月間で、グループ売上高は前年同期比15.0%増の242億3000万円、営業利益は同11.2%減の13億9500万円だった。増収減益となった差の大半は、半導体・ディスプレイ露光装置向けガラスに加え、光ファイバーやAIサーバー向け部材を手掛ける電子部門にある。同部門の売上高は11.3%増の111億1000万円となった一方、営業利益は20.8%減の15億7400万円と、純減4億1300万円となった。オハラの決算説明資料はこの変動要因をさらに分解しており、主に上期の半導体リソグラフィー装置向け製品の在庫調整に伴うコスト・製品構成変化による7億6200万円の押し下げ要因が、データセンター投資向け光通信製品を中心とした販売数量増による4億6400万円の押し上げ要因で一部しか相殺されず、さらに人件費増による1億4200万円の押し下げ要因も加わったとしている。

こうした押し下げ要因に対し、同社はデータセンター投資の恩恵を受けているとする2つの製品ラインを挙げている。光通信用ガラスと、AIサーバー用プリント基板に使われる低誘電ガラスだ。いずれも通期売上高がほぼ倍増し、それぞれ約10億円に達する見通しだ。

今年3回目の上方修正

こうした電子部門の好調に加え、日本およびアジアにおける半導体露光装置向けガラス需要の回復も相まって、オハラは通期見通しを再び引き上げた。グループ売上高は337億円(前期比16.6%増)、営業利益は21億円(同17.0%増)とし、売上高は過去最高水準となる見通しだ。今期に入ってから3回目の修正となる。

オハラ、今年3回の通期見通し修正
オハラの2026年9月11日付決算説明資料に基づく数値(当初予想は2025年12月11日発表)。
見通し区分売上高営業利益
当初予想(2025年12月11日)¥28.9bn¥1.1bn
第1回修正(2026年3月13日)¥29.9bn¥1.6bn
第2回修正(2026年6月12日)¥31.9bn¥1.8bn
第3回修正(2026年9月11日)¥33.7bn¥2.1bn

電子部門単体の通期営業利益目標は、従来予想の22億円から26億円に引き上げられた。オハラは売上増加に加え、製品構成の改善を理由に挙げている。

光学事業はなお赤字続き

オハラの祖業であるカメラレンズ向け光学ガラス事業は、デジタルカメラ向け高価格帯の川下製品の販売増加と、採算改善を狙った値上げに支えられ、9カ月間の営業損失を前年同期の4億1500万円から1億7800万円に縮小した。ただし、原材料コストの上昇、レアアース調達リスク、中国による輸出還付金(増値税)の廃止が押し下げ要因となったと、開示資料は直接名指ししている。

損失が縮小したにもかかわらず、オハラは光学部門の通期損失見通しを従来予想の4億円から5億円へと拡大した。同社は、顧客の製品仕様変更に伴う在庫処分の一時費用を第4四半期に計上する見込みだとしている。

差し引きすると、電子部門はデータセンターおよびAIサーバー需要の追い風を受けている一方、カメラ用光学事業は赤字が続き、10月31日の期末を前にさらなる一時費用の計上を控えている素材メーカーという構図が浮かび上がる。