オアシス・マネジメントは、インフォマートへの出資を役員構成や事業構造の変更を求める積極的な働きかけへと転じた。2026年9月11日に関東財務局に提出された変更報告書によると、ケイマン諸島籍のこのファンドが保有する東証上場の企業間取引プラットフォームの持ち株比率は、前回開示の16.95%から17.97%(発行済株式267,507,864株のうち48,066,100株)に上昇し、この閾値超過が今回の開示の契機となった。オアシスはこの持分を全額ファンドの資金で賄っており、提出日時点で252億3000万円を投じている。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 前回開示時点の保有比率 | 16.95% |
| 今回開示時点の保有比率 | 17.97% |
| 保有株式数 | 48,066,100 |
| 発行済株式総数(2026年8月13日時点) | 267,507,864 |
| 開示された取得資金 | 252億3000万円(ファンド資金) |
今回の提出は単なる状況報告にとどまらない。オアシスは、金融商品取引法施行令が定める4つの具体的な区分――重要な会社財産の処分、特定の人物の役員への選任、取締役会構成の重要な変更、事業の一部の廃止――について、すでにインフォマート経営陣に提案を行っていると述べている。これらは仮定の話ではなく、現に提示されている要求である。
同ファンドは、今後起こり得る展開についても言及している。オアシスによれば、今後12カ月以内に、代表取締役の選任・解任、合併・株式交換・会社分割、事業部門の譲渡、インフォマート株式の東京証券取引所からの上場廃止、そして第三者によるインフォマート株式の取得により当該第三者が議決権の過半数を握ることになるシナリオを含む提案を行う計画だという。これらはいずれも、インフォマートが何かに合意したことを意味するものではない。今回の報告書はオアシスが提起する意向を示すものであり、交渉の結果を示すものではない。
今回の提案の背景には、提出日にかけて急加速した買い増しペースがある。オアシスは7月中旬から9月上旬にかけてほぼ連日、市場でインフォマート株を買い付けており、終盤にかけて勢いを増した。9月1日に1,209,200株、9月2日には発行済株式の1.12%にあたる3,000,400株、9月3日に1,196,200株、そして報告義務が発生した9月4日には1,537,100株を取得した。オアシスは、株価が同社が割安と判断する水準で推移することや、その他の明示されていない条件を前提に、持ち株比率をさらに5ポイント超積み増すことを目指して買い増しを続ける方針だとしている。目安として9月4日から3カ月以内の達成を挙げているが、この期限がずれ込む可能性もあるとしている。
オアシスは今回の働きかけを建設的なものと位置づけている。インフォマートの中長期的な企業価値とコーポレートガバナンスの向上を目指し、成長戦略、AIやデータの活用、価格戦略、製品ポートフォリオについて経営陣との対話を開始したとしている。今回の報告書はオアシス単独での提出であり、共同保有者の記載はなく、単独の変更報告書として提出された。表向きの意図は対話の推進だが、資産売却から上場廃止の可能性に至るまでの提案リストは、単なる面談要請をはるかに超える圧力をオアシスに与えている。
