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ジェネリック品が輸出向け除草剤価格を圧迫、クミアイ化学工業が利益予想を大幅下方修正

クミアイ化学工業は通期売上高予想を12月時点から8%増の1750億円に引き上げた一方、輸出向け除草剤でジェネリック品による価格下落が深刻化し在庫評価損を計上した結果営業利益予想を62.5%減の27億円に下方修正、持分法投資利益と円安による為替差益が経常利益を下支えする中、配当予想は1株当たり年24円で据え置いた

2026年9月11日2分で読めるクミアイ化学工業4996
同じ棚にブランド品とノーブランド品の薬品ドラム缶がひしめく倉庫の通路を描いたイラストで、除草剤の価格をジェネリック品との競争が蝕む様子を想起させる。

クミアイ化学工業は9月11日、通期の売上高予想を引き上げる一方で利益予想を大幅に引き下げた。この明暗を分けた業績修正は、特許切れ後の価格下落という構図が医薬品だけでなく農薬にも当てはまることを示している。輸出向け除草剤の一つでジェネリック品による価格下落が深刻化し、在庫評価損の計上を余儀なくされた結果、売上高が伸びる一方で営業利益は大きく損なわれた。

7月までの9カ月間、グループ売上高は前年同期比5.1%増の1414億円だったが、営業利益は26.7%減の76億円にとどまった。グループ売上高の約8割を占める農薬・農業関連セグメントは、セグメント売上高が3.5%増の1119億円となった一方で、営業利益は32.0%減の68億円に落ち込んだ。同社によると、ジェネリック品の参入により当該除草剤の市場価格が下落し、在庫評価損の計上を強いられたという。オーストラリアとアルゼンチン向けの出荷は減少し、伸びたのは米国事業のみで、それも同社が現地での販促費を積み増した結果にすぎない。

12月12日発表の予想から修正された通期予想も、規模こそ違え同じ構図を映し出している。

クミアイ化学工業の通期予想、修正前後の比較
数値は2026年10月期における同社自身の業績予想であり、2025年12月12日発表の予想と2026年9月11日修正後の予想を比較したもの。
項目従来予想(12月12日)修正予想(9月11日)増減率
売上高¥162.0bn¥175.0bn+8.0%
営業利益¥7.2bn¥2.7bn-62.5%
経常利益¥10.9bn¥8.5bn-22.0%
純利益(親会社株主帰属)¥6.4bn¥4.0bn-37.5%
1株当たり利益¥53.15¥33.20

売上高予想は農薬事業と化学品事業の伸びを受けて8.0%増の1750億円に上方修正されたが、営業利益予想は72億円から62.5%減の27億円へと大幅に下方修正された。

営業利益より下の段階では、悪化幅は縮小する。同社によると、持分法投資利益の増加と円安に伴う為替差益が営業利益の落ち込みの大半を相殺したため、経常利益予想は比較的緩やかな22.0%減の85億円にとどまった。純利益予想はさらに下振れし、37.5%減の40億円に修正された。同社はこの減益の主因を固定資産の減損損失と構造改革費用に求めている。9カ月累計の決算にはすでに構造改革費用9億700万円と、化学品事業に集中する形での減損損失5億1400万円が計上されている。

明るい材料となったのは化学品事業だ。生成AIサーバー向けに使われるビスマレイミド系電子材料の需要を背景に、セグメント売上高は19.5%増の225億円、営業利益は31.0%増の19億円となった。ただしこの伸びは、農薬事業の落ち込みを相殺するには至らなかった。

修正後の予想では1株当たり利益は33円20銭となり、当初予想の53円15銭を下回るほか、前期実績の36円38銭も下回る水準となる。今期は売上高の規模が拡大するにもかかわらず、1株当たり利益は前期を下回る計算だ。配当予想は据え置かれ、年間24円(既払いの中間配当10円と、予定される期末配当14円の合計)とする方針に変更はない。修正後の利益予想を基にすると配当性向は72.3%となり、同社が掲げる「30%以上」という目標を大きく上回る水準となる。

通期決算は10月31日で締まるため、残る1四半期で除草剤の価格下落圧力が続くのか、それとも持ち直すのかが最終数値に表れることになる。