エアトリ(東証プライム:6191)は2026年9月10日、2026年9月期の期末配当を前期の1株10円から160円に引き上げると発表し、2028年9月期までの3年間で100億円超を株主に還元する計画を明らかにした。
増配の背景には業績見通しの上方修正がある。エアトリは減損後営業利益予想を5月時点の15億円から30億円に引き上げ、税引前利益予想を27.9億円に引き上げたほか、親会社株主に帰属する当期純利益は2026年5月の業績予想修正時点で見込んでいた6億円の3倍超となる19.5億円を見込む。1株当たり利益予想は26.34円から88.22円に上昇し、売上高予想は340億円で据え置いた。参考までに、2025年9月期の実績は売上高281億円、減損後営業利益31.0億円、純利益17.8億円だった。同社は主力の旅行事業が成長鈍化と競争激化に直面する一方、非旅行分野やインバウンド観光、IT開発、コーポレートベンチャー部門の好調が今回の上方修正の要因だとしている。
業績予想の修正と併せて、エアトリは新たな重点指標として減損前営業利益を導入し、今後は最重要の財務指標と位置付ける。同指標は2026年9月期に45.3億円を見込み、2028年9月期までに50億円、それ以降は100億円を目標とする。
配当方針は厳密な算式に基づき、2028年9月期までの3年間、税引後の減損前営業利益の100%を毎年配当する。この算式の下、税引後減損前営業利益に対する配当性向は2024年9月期の8.9%、2025年9月期の6.9%から、2026年9月期には100.0%に上昇する。親会社株主に帰属する当期純利益に対する比率でみると、162.0%に達する。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 | 2026年9月期(計画) |
|---|---|---|---|
| 減損前営業利益 | ¥3.58bn | ¥4.66bn | ¥4.53bn |
| 税引後換算額(営業利益×70%) | ¥2.51bn | ¥3.26bn | ¥3.17bn |
| 1株当たり期末配当金 | ¥10 | ¥10 | ¥160 |
| 税引後営業利益に対する配当性向 | 8.9% | 6.9% | 100.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向 | 11.1% | 12.6% | 162.0% |
エアトリは今期すでに自己株式を約24.2億円取得しており、これを株主還元拡大の第一段階と位置付けている。2027年9月期および2028年9月期には中間配当を新設し、年2回の配当に移行する計画だ。
この手厚い還元には期限がある。2029年9月期からは、同社が「投資フェーズ」と位置付ける段階に移行するのに伴い、配当を1株10円に戻す計画だ。100億円超を還元する3年間の枠組みは上場10周年に紐づくものであり、恒久的な新方針ではない。
