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政策ウォッチ

中国、半導体用ガスに99.2%の暫定反ダンピング関税 日本は抗議

中国商務省が半導体絶縁膜製造用ガス、ジクロロシランの日本メーカーに対し最大99.2%の反ダンピング関税を予備的に課す一方、経済産業相は対象企業への支援と中国のみを標的とした輸出管理への抗議継続を表明。発足1年の日米投資イニシアチブは、ガス火力発電プロジェクトへの米銀行参加を受け、5500億ドル目標の約5分の1に到達したことも明らかにした

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月11日3分で読める
半導体のクリーンルームにガスシリンダーとパイプラインのバルブが原料を送り込み、その傍らに通関書類が積み上げられている様子を描いた編集イラスト、貿易摩擦に巻き込まれた化学原料を象徴

経済産業省は、半導体サプライチェーンの原料に直接影響を及ぼす中国の貿易措置への対応を迫られている。経済産業相は9月8日、記者団に対し、中国政府がジクロロシランを巡る調査で対象となった日本企業に最大99.2%の暫定的な反ダンピング関税を課す予備決定を9月7日(月曜日)に下したと明らかにした。

チップ製造を支えるガス

ジクロロシランは半導体製造に使われる原料ガスで、熱を加えることでチップ上にシリコンの絶縁膜を形成すると経済産業相は説明した。中国商務省の調査は同素材の日本メーカーを対象としたもので、今回は最終決定ではなく予備的な関税措置にとどまる。経済産業相は、調査対象となっている日本企業と緊密に連携し、案件の範囲と影響を詳細に精査した上で、これら企業の事業活動が不当な影響を受けないよう対応していく考えを示した。

経済産業相はこの関税問題を、別の懸案である中国のデュアルユース品目に対する輸出管理とも関連付けた。同措置は日本のみを対象としているとした上で、特定の国や集団を狙い撃ちにしない輸出管理という国際的な規範に反すると批判し、日本政府として正式に抗議し、中国側に措置の撤回を求めたことを明らかにした。さらに、中国の輸出規制を巡っては日本企業と緊密に連携する一方、G7をはじめとする同志国との連携を一層強化していく考えを示した。

投資イニシアチブ、1年間の成果

経済産業相はまた、日米両政府が覚書に署名してから1年が経過した日米戦略的投資イニシアチブの進捗状況についても報告した。同フレームワークの下でこれまでに6件のプロジェクトが公表されており、5500億ドルの投資枠のうち約20%に達しているという。このうち、第2弾で発表されたガス火力発電所の建設プロジェクトについては米銀行の参加が決まり、これによりプロジェクトの外貨調達が円滑になると述べた。先週の会談で米商務長官にもこの進展を伝えたという。

経済産業相は、今後のプロジェクトが実行に移される前にクリアすべき条件についても説明した。覚書に基づき、プロジェクトの選定には、大きな損失が生じないことを意味する費用回収と返済の確実性の確認、そして日本企業にとっての裨益の実証が求められる。裨益については、直接的な利益に加え、当面の採算が薄くても将来的な事業機会につながるプロジェクトも含まれ得るとした。この2つの条件は日米の合同協議委員会で確認されており、委員会が確認できない場合はプロジェクトが先に進むことはないと述べた。次にどのような具体的な案件が出てくるかについては明言を避け、両国が「特別なパートナーシップ」と位置付ける関係の下、相互利益と経済安全保障に資するプロジェクトを追求しつつ、AIや半導体をはじめとする経済的に重要な分野の動向を引き続き注視していくとだけ述べた。

今週、経済産業相の手元には2つの案件が並んでいる。一つは、限定的ながらもチップ製造に不可欠な原料を標的とした中国の関税決定であり、もう一つは、5500億ドルの目標のうち残る80%分に算入されるには採算性と国内への裨益という条件をクリアしなければならないと日本政府が主張する、進展の遅い米国との投資フレームワークだ。