小松製作所(6301)は10月29日、通期業績予想を上方修正し、営業利益予想を7月29日時点の5550億円から5850億円に引き上げた。売上高予想は4兆4500億円(前回予想4兆3020億円)、純利益予想は3820億円(同3490億円)とした。
同社は修正理由として2点を挙げる。建設機械・車両部門では、4〜9月期に多くの地域で需要が当初想定を上回って推移し、通期でも当初想定を上回ると見込む。第2四半期の為替が想定より円安に推移したことも寄与した。通期平均の対ドル為替レートは従来の152.1円に対し154.5円となる一方、下期前提の150円は据え置いた。
| 項目 | 7月予想 | 最新予想 | 2026年3月期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4兆3020億円 | 4兆4500億円 | 4兆1300億円 |
| 営業利益 | 5550億円 | 5850億円 | 5673億円 |
| 当社株主に帰属する当期純利益 | 3490億円 | 3820億円 | 3764億円 |
増収率が利益の伸びを上回る
4〜9月期の売上高は14.1%増の2兆1600億円、営業利益は3.5%増の2866億円だった。売上高営業利益率は1.3ポイント低下の13.3%となった。当社株主に帰属する中間純利益は9.2%増の1919億円だった。
7〜9月期単独では利益面が弱含んだ。売上高は13.6%増の1兆1200億円となったが、営業利益は1.2%減の1351億円、売上高営業利益率は前年同期の13.9%から12.1%に低下した。建設機械・車両部門では、同社によると、同四半期は円安や物量増、販売価格改善の効果をコスト増が上回り、セグメント利益は4.5%減の1143億円となった。
上期の建設機械・車両部門の利益増減要因をみると、為替差が約409億円、販売価格差が273億円の押し上げ要因となった。一方、固定費差は204億円、原価差は469億円の押し下げ要因だった。原価差には米国の関税影響397億円が含まれるが、関税還付128億円で一部相殺された。
地域別の動向
建設機械・車両部門の地域別動向にはばらつきがあり、円安が数値を押し上げている。上期の外部顧客向け売上高は14.8%増加したが、為替影響を除いた同社集計ベースでは4.8%増にとどまる。
北米はインフラ・レンタル需要や鉱山機械の販売、円安が寄与し24.8%増加した。中南米はチリなどでの銅関連の鉱山機械販売により33.9%増加した。アフリカは金鉱山やインフラ需要を背景に31.7%増、欧州は11.3%増となった。
一方、3地域は減収となった。中近東は売上高が37.2%減少し、同社は中東情勢の影響を要因に挙げている。アジアはインドネシアでの石炭採掘量制限で鉱山機械需要が低迷し、15.1%減少した。日本は人件費や資材価格の上昇、労働力不足が一般向けやレンタル向けの需要を下押しし、3.9%減となった。
新予想の前提
同社は今期の主要7建機の需要見通しを、7月時点の0〜5%増から5〜10%増へ引き上げた。鉱山機械の需要見通しも5〜10%減から0〜5%減へと改善した。北米では第2四半期の需要が14%増加しており、データセンター投資によるレンタル需要の押し上げや、堅調な鉱山・エネルギー需要が背景にあるとしている。日本の需要は横ばいを見込む。
通期の売上高営業利益率予想は13.1%で、7月予想の12.9%から上昇するものの、前期実績の13.7%は下回る。
中間配当は1株当たり95円(総額843億円)を維持し、通期予想の190円も据え置いた。連結配当性向は、40%以上とする基本方針に対し44.2%となる見込みだ。
