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ニデック株主、自己株式取得・配当巡り元取締役2人に287億3000万円求める

ニデック株主1人が元取締役2人を相手取り287億3000万円を求め提訴、2022~23年の自己株式取得と2022年12月の中間配当が法定分配可能額を超えていたと主張。ニデックは請求が取締役個人を対象としたもので業績への影響はないとしている

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月10日2分で読めるニデック6594
自己株式取得と配当による企業のキャッシュフローが法定分配可能額の上限に迫る様子を示した抽象的な図表で、ニデックの資本還元を巡る株主訴訟を表している。

ニデックの株主が、2022年および2023年に実施した資本還元を巡り、同社の元役員2人を相手取り287億3000万円の賠償を求めて提訴した。訴訟告知によると、個人投資家が京都地方裁判所にニデックの元取締役2人を被告とする株主代表訴訟を提起した。ニデックは2026年9月10日、前日の9月9日にこの訴訟告知を受領したと開示した。

訴訟は、2022年9月の自己株式取得、2023年2月から3月にかけて実施した2回目の自己株式取得、2022年12月に支払った中間配当という3件の資本還元取引を対象としている。訴状は、これらを合算するとニデックが会社法および会社計算規則に基づき分配可能な額を超えていたと主張している。

訴訟で問題とされた資本還元
ニデックの2026年9月10日付TDnet開示に基づく
日付取引内容
2022年9月自己株式取得
2023年2月~3月自己株式取得
2022年12月中間配当

訴状は、元取締役個人に賠償を求める根拠として会社法第462条第1項を援用している。株主代表訴訟であるため、原告個人が金銭を受け取ることを求めているわけではなく、元取締役2人に対し287億3055万8300円(287億3000万円)と遅延損害金をニデック本体に支払うよう命じることを裁判所に求めている。本件は京都地方裁判所に令和8年(ワ)第1749号として係属しており、ニデックは会社法第849条第5項に基づき訴訟の電子公告を行う予定である。

ニデック自身は本訴訟を限定的に捉えている。同社は、請求は元取締役個人を対象としたものであり、ニデックではなく元取締役個人に賠償を求めるものだとした上で、業績に影響はないと判断していると説明している。また、開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表するとしている。

本件は単独で存在しているわけではない。ニデックは2026年3月13日、グループ内で相次いだ会計不正に関連して現旧の取締役、監査役、執行役員に義務違反があったかどうかを検証するため、役員責任調査委員会を設置した。ニデックは、この株主代表訴訟への対応方針は同委員会の最終報告と提言を踏まえて決定するとしている。その結果、287億3000万円に上る自己株式取得・配当を巡る請求は、今回の訴状で名指しされた元取締役2人の範囲をすでに超えるガバナンス調査の結論次第という状況に置かれている。