経済産業省は中部電力への対応を報告徴収から業務改善命令へと進めた。赤澤経産相は11月6日の閣議後記者会見で、同省が同日、同社に対して電気事業法に基づく業務改善命令を出したと明らかにした。
命令が求める内容
赤澤経産相によると、命令は中部電力に対し、法令遵守体制や内部通報対応の抜本的な強化をはじめとする業務運営の改善策を実施するよう命じた。
命令はあわせて、こうした改善策への取り組み状況を経産省へ継続的に報告するよう同社に求めている。赤澤経産相は、まず外部人材を活用して取り組み状況を客観的に検証する必要があると述べた。また、同社の改革が抜本的かつ十分なものとなり、確実に実行されるよう、同省として引き続き「最大限厳格に」対応していく考えを示した。命令内容の詳細は、後ほど説明にあたる事務方に委ねた。事務方による説明の記録は本会見録に含まれておらず、命令の期限や報告の日程はここには示されていない。
命令に至る経緯
赤澤経産相によると、経産省は10月29日に中部電力から3件の不適切事案に関する報告徴収命令への回答を受領した。その後、業務改善命令の発出に向けた準備を進め、すべての手続きが完了したため命令を出した。同省のこれまでの対応については、過去のTokyo Briefの記事を参照。
問題に対する経産相の認識
命令について問われた赤澤経産相は、3件の事案は同じ部署で起きたものではないようだとしつつも、ガバナンスをしっかり見直す必要があるとの認識を示した。法令遵守の意識や、内部通報があったにもかかわらず生かされなかった点を挙げ、「かなり大きな問題」があると認識せざるを得ないと述べた。
さらに、国民にとっては安全が絶対の大前提であり、原子力発電などの政策は国民の理解を得て進めているため、今回の問題は必ずしっかりと正していかなければならないと付け加えた。会見録には命令の一部として発電所の停止や許認可の制限に関する記述はなく、経産相の発言でも触れられていない。
今後の焦点は、中部電力が外部人材の検証を経た上で経産省へ提出することになる取り組み状況の報告だ。
