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メンバーズ、中間営業赤字3億8900万円 AIと稼働率低下が要因と説明

メンバーズによると、AIによる代替と顧客の投資削減で上半期の売上収益が当初計画比で約5億5000万円下振れし、3.0%の増収を確保したものの3億8900万円の営業赤字に転落した。通期の営業利益予想2億円にはAIトランスフォーメーション(AX)関連の受注増による売上を見込んでいない。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月30日3分で読めるメンバーズ2130
照明の消えたデスクと稼働中のデスクが混在するオフィスフロアの横に、人員稼働率のブロックチャートと自動化へ移行するタスクカードのワークフローボードを配したイラスト。

顧客企業のチーム内で業務を担うデジタル専門人材を提供する東証プライム上場のメンバーズ(2130)は、2026年4〜9月期(中間期)の連結営業損益が3億8900万円の赤字(前年同期は2億6300万円の黒字)になったと発表した。売上収益は前年同期比3.0%増の117億9000万円と増収を確保した。税引前損益は3億7200万円の赤字、親会社の所有者に帰属する中間損益は2億6200万円の赤字(1株当たり20円44銭の赤字)だった。連結決算への移行に伴い、前年同期の比較数値は個別業績を参考値として記載しており、中間決算短信は監査法人のレビュー対象外となっている。

経営陣が挙げる計画未達の要因

メンバーズは期初計画を下回った要因を2点挙げている。1つ目は外部環境要因だ。不安定な世界情勢を背景に一部顧客が投資を削減したほか、運用・保守やコーディング、リサーチ、デザイン制作など要件が明確な定型業務の専門人材に対する需要が、生成AIによる代替で想定以上のペースで減少した。同社はこれによる上半期の売上収益への影響額を当初計画比で約5億5000万円の下振れと試算している。この金額は顧客の投資削減とAIによる代替の影響を合わせたもので、前年同期比の減収額ではなく当初計画に対する未達額を示す。

2つ目の要因は稼働率の低下で、経営陣は売上収益を当初計画比で約2億5000万円押し下げたとしている。全デジタルクリエイターの上半期の稼働率は74.6%と2.7ポイント低下した。第1四半期の74.2%を経て、9月単月では76.9%まで回復した。売上総利益率は2.8ポイント低下の19.9%となり、同社は主に稼働率の低下が響いたとしている。

売上構成も変化した。デジタルトランスフォーメーション(DX)領域の付加価値売上高が8億1700万円(14.2%)増加した一方、低単価案件からの計画的な撤退を継続したことで、Web運用などの非DX領域は4億9500万円(9.2%)減少した。

余裕の少ない業績予想

メンバーズは9月30日に通期の営業利益予想を下方修正した(Tokyo Briefの過去記事)。修正後の予想は売上収益250億円に対し、営業利益が従来の25億円から2億円へと引き下げられた。中間決算短信でもこの予想を据え置いており、前期比では87.5%減となる。達成には下半期に5億8900万円の営業利益が必要となるが、前年同期の実績は13億4000万円だった。

通期予想は、上半期実績の全体稼働率74.6%、売上単価の前年同期比7.2%増に対し、稼働率75%程度、売上単価約8%増を前提としている。AIトランスフォーメーション(AX)関連の受注や稼働の増加による売上貢献は見込んでいない。同社の試算では、稼働率1ポイントの変動が通期営業利益に与える影響額は約1億5000万円、売上単価1%の変動による影響額は約1億2500万円としている。期末配当予想は1株当たり35円を据え置いた。

事業転換

メンバーズは7月1日付でAX本部を新設し、今年度中に30個以上のAXサービスの開発、AX関連商談1000件の創出、AXコンサルタントおよびエンジニア230人の育成を目指している。AI・データ関連売上は前年同期比80.2%増と伸び、第2四半期の売上収益に占める比率は15.5%となった。

人員数の拡大には依存しない方針だ。4月に新卒247人が入社し、9月末時点のデジタルクリエイター数は3月末比136人増の2592人となった一方、2年目以上の人員は24人減の2345人となった。経営陣は人員数の増加よりも1人当たり付加価値売上高の向上を重視している。決算説明資料では、DX領域の成長を過信し第1四半期時点で業績予想を据え置いたことを認めている。AXへの転換効果は下半期以降に業績へ表れると見込む。