東証プライム上場のネット証券である松井証券(8628)が発表した2026年4〜9月期(中間期)決算は、純利益が前年同期比59.7%増の104億4000万円だった。営業収益は42.8%増の340億5000万円となった。同社によると、期間中の株式等委託売買代金は100%増加した。
| 項目 | 2025年4〜9月期 | 2026年4〜9月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 238億4000万円 | 340億5000万円 | +42.8% |
| 純営業収益 | 223億2000万円 | 308億6000万円 | +38.2% |
| 営業利益 | 102億6000万円 | 164億8000万円 | +60.6% |
| 経常利益 | 101億5000万円 | 165億3000万円 | +62.8% |
| 中間純利益 | 65億4000万円 | 104億4000万円 | +59.7% |
売買代金の拡大がけん引
東京・名古屋の2市場を合わせた売買代金は前年同期比88%増加し、個人投資家の委託売買代金は89%増加した。売買代金に占める個人の割合は前年同期と同じ26%で横ばいだった。
委託手数料は42.5%増の154億2000万円となった。同社によると、原則手数料無料の一日信用取引が売買代金に占める割合が高まったことで手数料率は低下したが、売買代金全体の増加がこれを補って余りあった。
金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は48.1%増の117億4000万円となった。金利上昇に伴い支払利息が増えたものの、顧客分別金信託の収益や信用取引収益の増加で吸収した。金融費用は31億9000万円(前年同期は15億2000万円)だった。販売費・一般管理費は広告宣伝費や取引所費用の増加が響き、19.2%増の143億7000万円となった。特別損失は13億円で、大半は金融商品取引責任準備金繰入れの12億6000万円だった。
第2四半期は減速
決算報告資料からは、上期中にペースが鈍化したことがうかがえる。第2四半期(7〜9月)の経常利益は第1四半期(4〜6月)比13%減の76億7000万円、純利益は14%減の48億3000万円だった。松井証券の第2四半期の株式売買代金は31兆2000億円で、第1四半期の32兆2000億円から減少した。
金利動向と財務状況
9月末時点の信用取引貸付金は3月末比20.3%増の5094億9000万円だった。短期借入金と信用取引借入金の合計は20.2%増の4458億3000万円となった。同社は信用取引貸付金の原資の大部分を短期借入金で賄っている。
決算報告資料の試算によると、政策金利が25ベーシスポイント(bp)上昇するごとに年間約7億5000万円の増収となる。これは顧客からの預託金の運用額を7000億円、借入金を4000億円とし、運用利回りと調達金利がいずれも25bp上昇するとの前提に基づく。
2026年9月末時点の自己資本規制比率は304%だった。資料では、基準日は異なるものの、2026年6月末時点のオンライン証券5社平均(251%)と比較している。
中間配当は28円を維持
取締役会は1株当たり28円の中間配当を決議した。8月時点の予想から据え置き、前年同期の25円から増配となる。配当金総額は前年同期の64億4000万円に対し72億2000万円で、9月30日時点の株主に対し2026年11月24日から支払う。
松井証券は配当性向70%以上を基本方針に掲げており、決算報告資料によると中間期の配当性向は69%となった。下期および通期の配当予想は未定としている。
松井証券は、証券業の業績は相場環境に大きく左右されるとして業績予想を公表していない。主要な業務数値は月次で開示している。中間決算短信は公認会計士または監査法人のレビューの対象外。
