北九州市に拠点を置く精密モーターコアおよび半導体リードフレームメーカーの三井ハイテックは9月9日、今期の業績予想を今年度2回目となる上方修正を行った。2027年1月期の純利益予想は145億円とし、6月時点の予想100億円から45%増となる。売上高予想は2540億円から2720億円(+7.1%)、営業利益予想は145億円から195億円(+34.5%)、経常利益予想は145億円から200億円(+37.9%)にそれぞれ引き上げた。新たな純利益予想は、2026年1月期の実績32億円の約4.6倍に相当する。
| 項目 | 従来予想(2026年6月) | 修正予想(2026年9月) | 増減 | 前期実績 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥254.0bn | ¥272.0bn | +7.1% | ¥218.3bn |
| 営業利益 | ¥14.5bn | ¥19.5bn | +34.5% | ¥12.7bn |
| 経常利益 | ¥14.5bn | ¥20.0bn | +37.9% | ¥13.8bn |
| 純利益 | ¥10.0bn | ¥14.5bn | +45.0% | ¥3.2bn |
| EPS | ¥54.72 | ¥79.34 | - | ¥17.25 |
| 想定為替レート(USD/JPY) | ¥153.00 | ¥158.57 | - | ¥149.73 |
今回の上方修正は、上期売上高が20.6%増の1306.7億円、営業利益が86.2%増の118.2億円となったことを受けたもので、同社にとって4期ぶりの増収増益となった。純利益は137.3%増の99.4億円だった。三井ハイテックは、堅調な需要、為替の好影響、社内での経費見直しを改善要因に挙げた。
主にハイブリッド車向けの駆動用・発電用モーターコアを手掛ける電気部品事業は、電動車向けモーターコア需要が堅調に推移し、売上高898.9億円(+16.1%)、営業利益89.9億円(+68.9%)を計上した。半導体リードフレームを供給する電子部品事業は、自動車・民生向け需要の増加と円安を背景に売上高387.5億円(+34.8%)、営業利益36.8億円(+133.3%)を計上した。規模の小さい金型・工作機械事業は、モーターコア用金型の受注増により営業利益3.41億円(+562.7%)となった。
今回の増益はすべてが本業由来というわけではない。通期の為替前提は1ドル=153.00円から158.57円に見直され、上期の経常利益が122.8%増となった主因は、外貨建て金融資産に係る為替差益だった。経営陣は、電気部品事業で計上した一時的な利益の反動、先行投資費用の増加、中東情勢に絡む資材・エネルギー価格の上昇により、下期の利益は上期のペースを下回る見通しだとも指摘した。
今回の増益修正にもかかわらず、三井ハイテックは年間配当予想を1株当たり19円で据え置いた。内訳は10月8日支払い予定の中間配当6円と、期末配当13円(予定)で、2026年3月発表時点から変更はない。同社は固定的な配当性向ではなく、純資産配当率(DOE)3.0%以上を目標としており、業績上振れの規模に応じて配当が自動的に増える仕組みではない。今後の焦点は、ハイブリッド車・半導体関連の需要が、経営陣自らが指摘する下期のコスト圧力を相殺できるかどうかである。
