大阪のバイオ企業クリングルファーマ(4884、東証グロース市場上場)は、組換えヒトHGFタンパク質「oremepermin alfa」について、米国食品医薬品局(FDA)に新薬治験開始(IND)申請を提出した。米国での急性期脊髄損傷を対象とした第Ⅲ相試験の開始を目指す。この申請は同試験の開始に必要な正式な手続きであり、試験が既に始まっていることを意味するものではない。
米国での申請は、日本国内で積み重ねてきた開発成果を土台とする。同社によると、急性期脊髄損傷の日本人患者を対象にoremepermin alfaの第Ⅰ/Ⅱ相試験および第Ⅲ相試験を完了しており、現在は国内承認申請に向けた第Ⅲ相追加試験を実施している。同薬は、この適応症について日本、米国、欧州で希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けている。
同社の代表取締役社長は、今回の申請をグローバル展開に向けた一歩と位置づけ、米国でのIND取得が製薬企業との提携推進や研究開発資金の獲得機会拡大につながり得ると述べた。これらは同社が掲げる目標であり、締結済みの契約ではない。提携先も資金提供の確約も開示されていない。
同社は、National Spinal Cord Injury Statistical Centerのデータを引用し、米国での外傷性脊髄損傷の新規発生率は人口100万人当たり年間約54例、新規患者数は年間1万8000人超、慢性期を含む有病者数は約31万人としている。退院時点で完全な神経学的回復に至る患者は1%未満にとどまる。
同社は、声帯瘢痕を対象としたoremepermin alfaの別の第Ⅲ相試験も日本国内で実施しており、症例組み入れを完了し、経過観察を継続している。
