遺伝子組換えヒトHGFタンパク質を用いた医薬品を開発する大阪のバイオ企業、クリングルファーマは、2026年9月期の営業損失予想を縮小した。同社取締役会は売上高予想を33.1%引き上げ、3億3200万円から4億4200万円とし、営業損失予想は10億1800万円から8億円に縮小した。経常損失予想は10億1800万円から7億9600万円に改善し、純損失予想は10億2000万円から7億9900万円に縮小、1株当たり損失は139円85銭から103円52銭に縮小した。
| 項目 | 従来予想 | 修正後予想 |
|---|---|---|
| 売上高 | ¥332mn | ¥442mn |
| 営業損失 | 10億2000万円の損失 | 8億円の損失 |
| 経常損失 | 10億2000万円の損失 | 7億9600万円の損失 |
| 純損失 | 10億2000万円の損失 | 7億9900万円の損失 |
| 1株当たり損失 | ¥139.85 | ¥103.52 |
売上高の増加分はそのほとんどが単一の契約一時金によるものだ。同日、クリングルファーマは丸石製薬との間で、遺伝子組換えヒトHGFタンパク質を基盤とする声帯瘢痕治療の実験的治療薬KP-100LIについて、日本国内での独占的な販売・プロモーション権を付与する正式契約を締結した。丸石製薬が独占販売元となる一方、クリングルファーマは開発、製造販売承認、供給を担う。契約一時金1億円は2026年9月期の売上高として計上される見込みで、マイルストーン支払いおよびロイヤリティ料率は契約上非公開とされている。
営業損失予想の改善幅は合計2億1800万円で、このうちライセンス収入で説明できるのは一部にすぎない。同薬の商用製剤開発費用の約1億800万円は消失したのではなく、単に来期に先送りされただけであり、この時期のずれが損失縮小に寄与した割合は、売上高予想の1億1000万円の上方修正そのものとほぼ同程度である。
KP-100LIは販売承認を取得していない。現在、プラセボ対照の第3相試験の段階にあり、患者登録は2026年1月に完了、クリングルファーマはトップライン結果が判明するのは2027年になると見込んでいる。今回の丸石製薬との契約は、両社が2020年に脊髄損傷治療薬について同様のライセンス契約を締結し、丸石製薬がクリングルファーマ株式の1.16%を取得して現在も保有している関係を延長するものだ。両社は、丸石製薬がクリングルファーマへの追加出資を行うかどうかについて、引き続き協議中としている。
