本文へ移動

金融プロフェッショナル向けに、日本の市場・ビジネス情報を平日夕方に配信。

無料登録
Tokyo BriefTokyo Brief 日本語版日本のビジネスニュースを、夕方に総まとめ。

記事

金融庁、グロース市場ENECHANGEに課徴金9150万円 40億円増資の虚偽記載巡り

日本の証券当局は、ENECHANGE株式会社が四半期損失を過小に計上し、その開示を根拠に2024年2月、株式購入者から約40億円を調達する公募増資を実施したと指摘した

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月18日2分で読める
2本の円建て損失棒グラフ(一方は高く、訂正印が押されている)と、東京グロース市場上場企業を表す株券のイラスト

金融庁は、東京証券取引所グロース市場上場のENECHANGE株式会社について、同社と連結子会社が不適切な会計処理により売上高を過大に計上していたと認定し、2026年11月17日までに課徴金9150万円を国庫に納付するよう命じた。この認定は2件の開示書類にまたがり、いずれも同じ水増しされた業績に基づいている。

2023年11月10日に提出された、2023年9月までの第3四半期に係る四半期報告書で、ENECHANGEは親会社株主に帰属する四半期純損失を13億8000万円と報告していた。実際の損失はこれを上回る16億6000万円だった。この開示のみに基づいて算定すれば課徴金は300万円となるはずだったが、ENECHANGEが金融庁の検査開始前に課徴金減額報告書を提出していたため、同庁は金融商品取引法上の自己申告による減額規定に基づきこれを半額の150万円とした。

より大きな課徴金は、2024年2月9日に提出された有価証券届出書によるもので、同届出書は第3四半期報告書を参照する形で同じ過小な数値を取り込んでいた。投資家はこの届出書を信頼し、2024年2月26日に完了した公募増資で378万4200株、総額40億円を取得した。金融庁はこの募集の発行総額の4.5%に当たる1億8000万円を課徴金として算定し、同様の検査開始前の減額を適用して9000万円とした。

9150万円の課徴金の内訳
金額は、ENECHANGEが金融商品取引法第26条に基づく検査開始前に課徴金減額報告書を提出したことにより、同法第185条の7第14項に基づき50%減額された後の金額である。これは、同社が後に最初の審判期日前に事実関係を認めた措置とは別の手続きである。
違反行為提出日詳細命じられた課徴金
第3四半期報告書2023年11月10日親会社株主に帰属する純損失を過小計上:報告13億8000万円に対し実際は16億6000万円¥1.5mn
有価証券届出書2024年2月9日2024年2月26日実施の378万4200株・総額40億円の公募増資の根拠となった¥90.0mn
合計該当なし国庫に納付すべき課徴金合計額¥91.5mn

ENECHANGEは別途、最初の審判期日に先立って事実関係と課徴金額を認め、この認諾により審判手続きを経ずに事案は決着した。今回の命令は証券取引等監視委員会の勧告と2026年6月19日の審判手続開始決定を経たもので、最終的な決定は2026年9月16日付で金融庁長官が署名した。金融庁の決定要旨は、売上計上を承認した個人の氏名や、2024年2月の株式購入者に別途の救済手段があるかどうかについては触れていない。

これまでのTokyo Brief記事