環境省は、水道水中に残留する可能性がある農薬2種、チオファネートメチルとベノミルの目標値見直し案について、1カ月間のパブリックコメントを開始した。改正案は、チオファネートメチルの目標値を1リットル当たり0.3ミリグラムから0.2ミリグラムへと厳格化する一方、ベノミルの目標値は0.02ミリグラムから0.07ミリグラムへと緩和し、この拘束力を持たない目標値を3倍超に引き上げる内容だ。
| 農薬名 | 現行目標値(mg/L) | 改正案目標値(mg/L) | 方向性 |
|---|---|---|---|
| チオファネートメチル | 0.3 | 0.2 | 厳格化 |
| ベノミル | 0.02 | 0.07 | 緩和 |
これらは水道法第4条に基づく拘束力のある水質基準ではない。法的基準には至らないものの体系的な監視に値する物質を示すため、2003年の厚生労働省健康局長通知により設けられた「水質管理目標設定項目」という別区分に位置づけられている。どの農薬を検査するかは各水道事業者が地域の状況を踏まえて選定するが、同省の補足リストは浄水中で検出される可能性が高い農薬を挙げており、この2種もそこに含まれる。
測定方法も変更される。改正案では、ベノミルの濃度をメチル-2-ベンツイミダゾールカルバメート(MBC)として測定し、ベノミル換算値として算出することになる。環境省の注記は検査機関向けに留意点を示しており、MBCはチオファネートメチルの分解によっても生成し得るため、ベノミルの測定値にもう一方の農薬由来の残留物が含まれる可能性があるとしている。
環境省は、今回の改正が内閣府の食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を踏まえたものだとしているが、意見募集資料では評価の具体的な内容には触れていない。意見の提出は日本語に限り、電子政府の総合窓口(e-Gov)または郵送により、2026年9月24日から10月23日まで、案件番号195260058で受け付ける。環境省は2027年3月下旬に正式通知を行い、2027年4月1日を適用日とする予定だ。
