瓦メーカーの新東(5380)は、東証スタンダード市場と札幌証券取引所に重複上場しており、2026年9月24日、上場維持基準4項目のうち1項目に依然として適合していないと開示した。2026年6月30日時点の流通株式時価総額は4億9610万円で、スタンダード市場が求める10億円の基準の半分に満たない。
| 基準日 | 株主数 | 流通株式数(単位) | 流通株式時価総額 | 流通株式比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年6月(移行基準日) | 343 | 2,197 | ¥428.3mn | 52.8% |
| 2023年6月 | 485 | 3,920 | ¥536.4mn | 47.1% |
| 2024年6月 | 453 | 3,896 | ¥680.5mn | 46.8% |
| 2025年6月 | 490 | 3,732 | ¥574.6mn | 44.8% |
| 2026年6月 | 463 | 3,802 | ¥496.1mn | 45.7% |
| 東証スタンダード市場基準 | 400 | 2,000 | ¥1.0bn | 25.0% |
基準未達の原因は流通株式数の不足ではない。新東の流通株式数は前年の3732単位から3802単位に増加し、最低基準の2000単位を大きく上回っている。流通株式比率も45.7%で、下限の25.0%のほぼ2倍だ。同社は時価総額の不足を流通株式数の少なさではなく株価の低迷によるものとし、その株価低迷を営業利益から営業損失への転落に結び付けている。
この転落は数字にも表れている。2026年6月期の売上高は3億6500万円減の42億6000万円、営業損益は前期の1億500万円の営業利益から一転して1億100万円の営業損失となり、当期純損益も前期の7000万円の純利益から1億1500万円の純損失に転じた。売上総利益率は3.7ポイント低下し15.9%となったが、新東は原材料・エネルギーコストの増加が、期末最終月にようやく実施した値上げの効果を上回ったためとしている。
東京証券取引所は、2021年の適合計画に基づく改善期間が是正のないまま終了したことを受け、2026年7月1日付で新東株式を監理銘柄(確認中)に指定した。新東は2027年6月期末までに10億円の基準をクリアする必要がある。新東が2027年8月に提出予定の株式等の分布状況表を東証が審査した結果、なお基準に適合していないと判断された場合、同株式は整理銘柄に指定され、2028年1月1日付で上場廃止となる。同社は、別途上場する札幌証券取引所については異なる上場維持基準が適用されるとしており、株式は現在両取引所で引き続き売買されている。
この開示と併せて新東は、1株につき37円50銭、総額2650万円の配当案を9月25日開催の定時株主総会に付議するほか、2027年7月まで最大4万株・最大4000万円の自己株式取得を実施している。同社は、上限まで取得しても流通株式数・流通株式比率は依然として必要な最低基準を上回るとしており、基準適合を阻んでいるのは流通株式そのものではなく時価総額の不足だとしている。
