亀田製菓(2220)は11月2日、2027年3月期通期の営業利益予想を従来の83億円から33.7%減の55億円に下方修正した。売上高予想は1430億円から1420億円と微減にとどめた。従来予想は2026年5月13日に公表していた。
| 項目 | 前回予想 | 修正予想 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1430億円 | 1420億円 | −0.7% |
| 営業利益 | 83億円 | 55億円 | −33.7% |
| 経常利益 | 77億円 | 51億円 | −33.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 43億円 | 25億円 | −41.9% |
純利益予想は従来の43億円から25億円に、1株当たり当期純利益は67円99銭から39円53銭に引き下げた。配当予想は据え置いた。
TH FOODSは需要ではなく人員に課題
最大の押し下げ要因は北米にある。亀田製菓によると、子会社のTH FOODS, INC.では一部工程で人員流動化が想定を上回り、生産効率が低下して需要に見合う供給ができなくなった。商品需要は引き続き堅調だが、供給能力の制約で販売機会を逃したとしている。
経営陣はその背景として、夏の気温上昇に伴う労働環境の悪化と、周辺企業の賃上げによる採用・定着環境の変化の2点を挙げている。さらに、限られた生産能力の中で販売構成が変化したことも収益性を圧迫した。生産効率の低下と追加コストの発生により、TH FOODSの収益が悪化した。
同社は現在、賃金水準の見直しや採用活動の強化、人材育成に加え、生産ライン全体の効率向上策を進めている。効果は第4四半期以降に段階的に表れる見込みだ。亀田製菓は供給能力の回復を最優先課題に位置づけている。開示資料では販売機会の逸失や追加コストの金額は明示されていない。アジア地域の子会社はおおむね計画通りに推移している。
国内は値上げ後に数量減
亀田製菓によると、国内の米菓市況は底堅いものの、中東情勢に端を発した原材料・エネルギー価格の高騰が続いている。2026年10月から重点ブランドを中心に価格改定を実施したが、その後は数量が減少し、本格的な改定効果は第4四半期以降に見込んでいる。
食品事業は長期保存食と機能性素材が寄与し、営業利益が計画を上回って推移している。
上期決算に表れた実績
同日発表された2026年9月中間期(4〜9月)決算では、人手不足の影響がすでに数字に表れている。連結売上高は4.9%増の690億円、営業利益は24.1%増の24億7000万円だった。海外事業は売上高が4.8%増となったものの営業利益は95.0%減の1800万円に落ち込んだ一方、国内米菓事業の営業利益は72.6%増の22億9000万円となった。
北米では、TH FOODSの売上高が現地通貨ベースで減収、円貨ベースで増収となった。同社によると、クラブストア向けや自社ブランド商品の需要は堅調だったが、生産が追いつかなかった。
親会社株主に帰属する中間純利益は93.4%減の14億8000万円だった。前年同期にはTH FOODSの段階取得に係る差益206億円を計上していた。
2026年4月1日付の1対3の株式分割後ベースで、中間配当は5円、通期配当予想は24円としている。亀田製菓は11月13日に投資家向け説明会を開催する。回復時期は経営陣の見通しであり、同社は業績予想についてその達成を約束するものではないとしている。
