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政策ウォッチ

政府、能登地震の雇用維持助成を延長へ 2027年からの新規申請は助成率引き下げ

厚生労働省は能登半島地震の被災企業に対する出向助成の期間を最長3年に延長する一方、2027年1月1日以降に初めて出向計画を提出する出向元事業主の助成率を引き下げる方針

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月4日2分で読める
静かな沿岸の作業場から活気ある提携工場へと移動する安全ベスト姿の労働者と、短期と長期の2本のタイムラインバー

厚生労働省は、2024年の能登半島地震で被災した企業が従業員を解雇せず出向させる際の助成を継続する一方、支給要件を厳格化する方針だ。雇用保険法施行規則を改正する省令案では、支給対象となる出向期間を1年延長する一方、新規申請に対する助成率を引き下げる。

省令案による変更点

対象となる制度は、産業雇用安定助成金の災害特例人材確保支援コースだ。2024年12月17日に創設され、労働者が出向元企業に在籍したまま異動する在籍型出向において、出向元事業主と出向先事業主が分担する賃金を助成する。同地震に伴う経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が対象となる。

現行規定では、2024年12月17日から2026年12月31日までの期間を定めた出向契約を結び、出向期間が1カ月以上2年以下である場合が支給対象となる。厚労省は延長の理由として、七尾公共職業安定所および輪島公共職業安定所の管轄区域の状況などを挙げている。改正案では支給対象となる出向期間を1年延長し、1カ月以上3年以下とする。出向期間が2027年12月31日を超える場合は、同日までの期間のみが助成対象となる。

能登地震の出向助成金:現行制度と改正案の比較
出典:厚生労働省の省令案概要。改正案の助成率は2027年1月1日以降に初めて出向計画を提出する出向元事業主に適用される。
項目現行改正案
支給対象となる出向期間1カ月以上2年以下1カ月以上3年以下
助成率(中小企業)5分の42027年1月1日以降の初回申請は3分の2
助成率(中小企業以外)3分の22027年1月1日以降の初回申請は2分の1
出向元事業主の要件概要に記載なし事業所の業務再開計画の整備

新規申請には厳格な要件

一方で要件を厳しくする変更も2点ある。出向元事業主には、事業所の業務再開に向けた計画を整備していることが新たに求められる。また、2027年1月1日以降に初めて出向計画を提出する出向元事業主への助成率は2分の1、中小企業については3分の2となる。

現行の助成率は中小企業が5分の4、中小企業以外が3分の2で、最長2年間にわたり1人1日当たり9110円が上限となっている。省令案の概要には、新たな助成率が出向先事業主にどう適用されるかや、改正後の助成率に対する上限額は記載されていない。

今後の日程

厚労省は2026年11月2日に意見公募(パブリックコメント)を開始し、2026年12月1日末に締め切る。意見は日本語に限られ、電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォーム、電子メール、または同省労働移動支援室への郵送で提出できる。同省は2026年12月下旬に省令を公布し、公布日から施行する予定だ。意見公募の終了から現行の出向対象期間が終了する2026年12月31日までは、わずかな期間しか残されていない。