片山財務相は、為替変動をめぐり米財務長官と出した共同声明は現在も生きていると述べ、円の無秩序な動きや過度に投機的な変動には政府として行動する考えを示した。米中間選挙を翌日に控えた11月2日の記者会見で発言した。
円相場:具体水準への言及は回避
会見では記者が、米国との協調介入から約3カ月が経過するなか、円相場が1ドル=157円近辺の狭いレンジで推移していると指摘し、通貨政策の評価を求めた。片山財務相は具体水準への言及を控え、自身も政府も現在の水準が良いとも不適切だとも言わないと述べた。
一方で、一時は164円まで円安が進んでいたことに触れつつ、以前よりは状況が改善しているとの見方を示した。そのうえで、高市首相が円の過小評価を問題だと指摘した日米首脳間の議論や、9月末の日米財務相電話会談を挙げ、両国のマクロ的な考え方はおおむね一致していると述べた。また、過度な乱高下や投機的・無秩序な動きを断固として避ける点で、両当局の姿勢は揺らいでいないと付け加えた。
米中間選挙:体制の継続性を強調
11月3日の米中間選挙をめぐる市場への向き合い方を問われると、片山財務相は選挙の重要性と結果次第で変化が生じ得ることを認めた。そのうえで、大統領が一夜にして代わるわけではなく、カウンターパートである米財務長官も恐らく留任するとの見方を示した。これを踏まえ、共同声明は引き続き有効であり、無秩序な動きや過度に投機的な動きがあれば声明に沿って行動すると述べた。また、協調や協議は頻繁に行われており、今後も継続すると語った。
会見概要には、共同声明の内容について同氏の発言以上の記載はなく、行動に踏み切る具体的な水準も示されていない。
予算編成:税収見積りの精度向上へ
予算編成をめぐっては、片山財務相は10月29日の経済財政諮問会議で、高市首相から歳入見積りの精度と透明性を高め、その結果を2027年4月に始まる2027年度予算に反映するよう関係閣僚に指示があったと説明した。質問した記者は、この指示が歳出だけでなく税収や税外収入も対象にしたものだとして見解を問うた。
片山財務相は、歳出・歳入全般を見直すなかでも税収を適切に見積もることは重要であり、手法は不断に改善していると述べた。経済・物価の見通しがこれまでと変化しているとして、財務省として適切な見積りに努める考えを示した。見積り手法に関する情報は、予算提出時に国会へ提出する「租税及び印紙収入予算の説明」に記されており、同省のウェブサイトでも公表していると説明し、引き続き透明性の向上に取り組むと約束した。
会見概要には、見積り手法の具体的な変更点やその時期は記されていない。
