こども家庭庁は、全国の公立保育所や公立認定こども園で満3歳未満の子どもに対し、施設外で調理した食事の提供を認める3件の基準改正案を公表した。現在は認定を受けた構造改革特別区域内に限り認められている。改正案は2026年11月2日に公示され、12月1日まで意見を募集している。
改正の内容
保育所と幼保連携型認定こども園での食事の提供は自園調理が原則とされている。施設外で調理し搬入する「外部搬入方式」は、満3歳以上の子どもについては一定の要件を満たせば認められてきたが、満3歳未満については認定を受けた特区内の公立施設に限られていた。
2026年3月13日の閣議決定で構造改革特別区域基本方針が変更され、一定の要件を満たせば特区外の公立保育所や公立幼保連携型認定こども園でも、乳児および満3歳未満の幼児に外部搬入方式で食事を提供できるようになった。今回の改正案はこの変更を施設基準に反映するものだ。今回の見直しは、地方公共団体が設置するその他の認定こども園も対象としており、これらの園ではこれまで満3歳以上の子どもに限り外部搬入が認められていた。
| 施設種別 | 改正案 | 根拠法令条項 |
|---|---|---|
| 公立保育所 | 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の一部を改正する内閣府令 | 児童福祉法第45条第2項 |
| 公立幼保連携型認定こども園 | 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準の一部を改正する命令 | 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第13条第2項 |
| その他の公立認定こども園 | 施設の設備及び運営に関する基準の一部を改正する告示 | 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第3条第2項及び第4項 |
要件
保育所に関する改正案は5つの要件を定めており、他の2案も同様の要件を掲げている。
- 食事提供の責任が当該施設にあり、管理者が衛生面や栄養面などの監督体制および調理業務の受託者との契約内容を確保していること。
- 当該施設や他の施設、保健所、市町村の栄養士または管理栄養士が、献立について栄養面の指導を行うこと。
- 受託者が当該施設における給食の趣旨を理解し、調理業務を適切に遂行できること。
- 子どもの年齢や発達、健康状態に応じた食事を提供し、アレルギーやアトピーなどに配慮するとともに、満3歳未満については発育・発達の個人差を考慮できること。
- 食育に関する計画に基づき食事を提供するよう努めること。
施設側はまた、加熱や保存など施設内で引き続き行う必要がある調理機能を備えた設備を設けなければならない。改正案に添付された閣議決定の資料では、満3歳未満への全国展開にあたり、離乳食の提供や食物アレルギーなど個別対応が必要な子どもへの対応、および食育への対応を求めている。
施行時期と対象範囲
改正案はいずれも2026年12月の公布・告示、2027年4月1日の施行・適用を予定しており、一部の規定は公布・告示日から施行・適用される。保育所に関する内閣府令案では、特区関連規定を削除するほか、国家戦略特別区域における小規模保育事業が廃止されたことに伴い小規模保育に関する規定も整理する。内閣府・文部科学省関係の特区特例を定めた命令も別途廃止される。
改正案の対象は公立施設のみで、地方公共団体が運営の合理化のために外部搬入が特に必要と認めることが条件となる。公表された概要には対象施設数や受託事業者の記載はない。
