東海旅客鉄道(9022、JR東海)は、2027年7月にのぞみ料金を認可上限まで引き上げ、同年12月にグリーン料金を改定する計画だ。これら2つの施策により、年間500億〜600億円の増収を見込む。10月29日の中間期決算説明会で明らかにした。
本稿は、Tokyo Briefの既報に料金改定の詳細を加えたものだ。
自社で料金を引き上げる理由
同社によると、インフレによりコストが増えても、現行の総括原価方式による上限認可制の下では運賃・料金の上限額を改定できない。そのため、のぞみの増発、単価向上、需要創出イベントという自社で実施可能な3つの増収施策を推進する。あわせて、インフレによるコスト増を柔軟・簡便に運賃等に反映できる制度の導入や、新幹線自由席特急料金の届出化に向け、関係箇所への働きかけを継続するとしている。
改定の内容と時期
のぞみ料金は認可上限まで引き上げる。同社が示す例では、東京―新大阪間ののぞみ料金が320円から700円増の1020円となる。これは運賃・料金全体ではなく、のぞみ料金のみの金額だ。グリーン料金はグリーン車のサービス向上に合わせて2027年12月に改定する予定だが、説明会資料では改定後の金額は示されていない。
| 施策 | 実施時期 | 見込み増収額 |
|---|---|---|
| のぞみ料金を認可上限まで引き上げ | 2027年7月 | 年間350億〜400億円 |
| グリーン料金の改定 | 2027年12月 | 年間150億〜200億円 |
| Supreme Class(Cabin・Seat) | 2026年10月から順次 | 15年程度かけて年間約100億円 |
Supreme Classでは、個室のCabinと半個室のSeatを導入する。2026年10月から順次導入を開始し、Seatは2027年度中に導入する予定だ。15年程度かけて年間約100億円の増収を見込む。増収額はいずれも同社の見込み数値である。
ダイヤが許せば「のぞみ」をさらに増発
JR東海は2026年3月から、利用の多い一部の時間帯でのぞみを1時間あたり13本運転可能なダイヤを設定している。ただ、繁忙期には指定席が取れない時間帯がなお発生しているという。次回のダイヤ改正から1時間あたり13本運転できる時間帯を増やす計画で、将来的には1時間あたり14本への引き上げを目指す。上期には1時間あたり13本運転するダイヤを19日設定した。
計画の背景にある決算実績
上期の運輸収入は前年同期比1%増となった。内訳は万博関連の影響が5%押し下げ要因となった一方、国内のビジネス・観光等が5%、インバウンドが1%押し上げた。営業費用は労務費の上昇などにより増加した。連結営業収益は1兆100億円に増えたものの、連結営業利益は前年同期の4540億円に対し4471億円となった。
同社は通期の連結営業利益予想を7020億円から7570億円へ上方修正した。中間配当と期末配当はともに期初予想を1円上回る17円とする計画で、すでに実施済みの約200億円に加え、新たに100億円を上限とする自己株式取得も実施する。
