国際協力銀行(JBIC)は11月2日、2024年7月に設定したクレジットラインに基づき、アブダビ国営石油会社(ADNOC)と2件の個別貸付契約を結んだ。JBICが11月4日に発表した。
2件の融資と2つの協調融資団
JBIC単独の融資額は1件目が約5億4300万ドル、2件目が約5800万ドルで、協調融資総額はそれぞれ約9億500万ドルと約9700万ドル。協調融資には、1件目に三菱UFJ銀行、みずほ銀行、香港上海銀行(HSBC)東京支店が参加し、2件目にはみずほ銀行とHSBC東京支店が参加する。
| 融資区分 | JBIC融資額 | 協調融資総額 | 協調融資行 |
|---|---|---|---|
| 融資1 | 約5億4300万ドル | 約9億500万ドル | 三菱UFJ銀行、みずほ銀行、香港上海銀行東京支店 |
| 融資2 | 約5800万ドル | 約9700万ドル | みずほ銀行、香港上海銀行東京支店 |
発表文の金額はすべて概数(「約」)で表記されている。融資期間や金利、民間金融機関ごとの融資内訳は明らかにされていない。
資金の使途
今回の融資はJBICの地球環境保全業務(通称GREEN)の一環として実施される。ADNOCグループがアラブ首長国連邦(UAE)で行うLNG製造・販売事業の環境負荷軽減や低炭素化を図る事業のほか、太陽光や原子力由来の電力を含む電力供給を支える送配電事業に充てられる。
発表文では、ADNOCをアブダビ政府が100%出資するエネルギー会社と説明している。同社は2045年のネットゼロ達成を掲げ、再生可能エネルギーや水素・アンモニア、および二酸化炭素を分離・回収して地中や深海に貯留する二酸化炭素回収・貯留(CCS)を通じて実現を目指すとしている。
政策上の位置づけ
JBICは今回の融資を日本のエネルギー安全保障に結びつけている。発表によると、政府は現在の中東情勢を踏まえ、アジア諸国とのサプライチェーン強靱化に向けて2026年4月にアジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(POWERR Asia)を立ち上げた。また、アブダビについては日本の資源戦略上重要であり、再生可能エネルギーやCCSに適した地下構造において潜在性があるとしている。
JBICによると、今回の融資は日本企業とADNOCおよびその子会社との協業機会の創出につながることが期待されている。ただし、これはあくまで期待として示されたもので、発表文には恩恵を受ける具体的な日本企業名や契約、事業の成果についての記載はない。
発表文によると、今回の融資は同一のクレジットラインの下で2025年2月21日に発表されたADNOC向け融資に続くものだとしている。
