東証上場の創薬企業ネクセラファーマ(4565)は、幅を持たせていた2026年12月期の業績予想を従来レンジの上限である単一の数値に修正した。英子会社のNxera Pharma UK Ltdが、炎症性腸疾患を対象に開発中の経口EP4受容体作動薬NXE0033744について、アッヴィ(AbbVie Inc.)と全世界における独占的ライセンス契約を締結したと発表した。同日修正した通期予想では、売上収益を488億円、コア営業利益を228億円、営業利益を157億円としている。
確定分と未確定分
ネクセラファーマは契約一時金として1億ドル(1ドル=157円80銭換算で約158億円)を受領する。さらに、開発・販売マイルストンとして最大13億7000万ドル、および売上高に応じた段階的ロイヤリティを受け取る権利を有する。マイルストンの金額は上限であり保証された対価ではなく、開示資料にはロイヤリティの料率やマイルストンの達成条件は記されていない。
本契約により、アッヴィは炎症性腸疾患を対象とするNXE0033744の全世界における独占的な開発・商業化権を取得する。契約はネクセラファーマのEP4作動薬プログラム全体を対象としている。
業績予想の修正内容
2026年2月13日に公表した従来予想はレンジ形式での開示で、売上収益が338億〜488億円、コア営業利益が78億〜228億円、営業利益が7億〜157億円だった。ネクセラファーマによると、各レンジの上限値には重要な新規提携に伴う契約一時金が概算で織り込まれていた。今回の修正予想では、実際の契約一時金の金額と想定為替レートを反映し、レンジ表記を従来の上限値に置き換えた。
| 項目 | 前回予想レンジ(2月13日) | 修正予想 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 33,800〜48,800 | 48,800 |
| コア営業利益 | 7,800〜22,800 | 22,800 |
| 営業利益 | 700〜15,700 | 15,700 |
修正後の売上収益予想は2025年12月期実績の296億円から増加する。同期はコア営業損益が3億5200万円の赤字、営業損益が85億円の赤字だった。
前提条件
本取引は、米国のハート・スコット・ロディノ(HSR)法に基づくものを含む、通例の独占禁止法上のクリアランス取得を条件としている。ネクセラファーマは、2026年12月31日までに取引が完了し、かつ会計処理について会計監査人の合意が得られることを条件に、1億ドルを第4四半期の売上収益として計上する見込みだ。業績予想はこの両方を前提としており、同社はこれらに重要な変更が生じた場合は速やかに公表するとしている。
同開発品はまだ臨床試験段階の候補化合物であり、承認された治療薬ではない。ネクセラファーマによると、潰瘍性大腸炎患者のコホートを含むフェーズ1試験が完了し、消化管選択的な作用と標的への作用を裏付けるデータが得られたほか、懸念すべき有害事象は報告されなかった。同社はこの候補薬を、ファーストインクラスとなり得る医薬品候補と位置づけている。
ネクセラファーマの最高経営責任者(CEO)は、契約一時金と短期的に受領する可能性のあるマイルストンにより、同社の財務基盤が強化されると述べた。アッヴィは神経疾患領域の創薬提携でもすでに同社のパートナーとなっている。
