PayPayは7〜9月期の純利益が前年同期比75%減の184億円になったと発表したが、前年同期との単純比較は実態を映さない。前年同期にはPayPayでの繰延税金資産の計上に伴う575億円の一過性の税効果が含まれており、同社はこの影響を除けば増益だったと説明している。
今回の決算数値は未監査。同社が米国で提出したForm 6-Kを基に作成し、2026年11月4日に関東財務局へ提出した臨時報告書に要約が記載された。
営業収益と取扱高
営業収益は前年同期比28%増の1181億円だった。決済セグメントは27%増、金融サービスセグメントは38%増となった。
決済セグメントの取扱高(GMV)は20%増の5兆5600億円、同セグメントの営業収益はこれを上回る27%増の967億円となった。同社は、テイクレートが0.1ポイント上昇して1.74%になったことが寄与したとしている。要因として、オンライン決済比率の上昇、クレジットカード残高に係る金利収益の増加、2026年6月に実施したポイントプログラムの包括的な見直しに伴うポイント費用の減少を挙げた。
PayPayによると、ふるさと納税のルール改定を控えた2025年9月の駆け込み需要による高い前年同期の比較水準や、主に2026年9月に発生した長雨がオフライン決済に響いたにもかかわらず、増収を確保した。月間取引ユーザー数(MTU)は9%増の4222万人となった。
与信関連の動向
金融サービスセグメントでは、主に金利収益の増加により、営業収益が38%増の229億円となった。PayPay銀行の貸出残高は住宅ローン、消費者向けローン、事業者向けローンの伸びにより37%増の1兆4000億円、預金残高は16%増の2兆4000億円となった。政策金利の引き上げも追い風となり、金利収益は70%増加した。
リボ払い、分割払い、キャッシングの各残高を含むクレジットカードの金融関連残高は26%増加した。当四半期の貸倒引当金繰入額は前年同期の61億円から94億円に増えた。決済関連費用や支払利息も含む総取引関連費用の対営業収益比率は、前年同期の22%から1.3ポイント上昇し24%となった。
利益指標
営業利益は332億円と、前年同期の205億円から増加した。非IFRS指標である調整後EBITDAは55%増の421億円、マージンは36%だった。調整後EBITDAは純利益ではない。
PayPayによると、2026年7月に実施したPayPayにおける他社クレジットカード利用に関する変更などを通じ、相対的に費用の低いファンドソースへの移行を進めた結果、決済関連費用の伸びは13%増にとどまり、Total GMVの伸び(20%増)を下回った。
