環境省は、廃棄物処理の実務書類にリチウム蓄電池廃棄物の記載を義務付ける廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の改正案を公表した。同省によると、廃棄物収集運搬車両や処理施設で頻発している火災の防止を目的としている。
今回は改正案に対する意見募集であり、規則が成立したわけではない。同省は、リチウム蓄電池廃棄物およびリチウム蓄電池を部品として使用する製品廃棄物の処理基準を定める政令(同法施行令)の改正も検討しているとしており、今回の省令改正はその政令改正に伴うものだ。
改正案の主な内容
同省は、これらの廃棄物を既存の石綿含有廃棄物や水銀含有廃棄物とほぼ同様に扱うとしている。改正案には一連の処理行程にわたる変更点が盛り込まれた。
- 保管:一般廃棄物の積替え保管場所および産業廃棄物の保管場所の掲示板に、リチウム蓄電池廃棄物を保管している旨の記載を義務付ける。
- 帳簿:一般廃棄物処理業者、一部の産業廃棄物排出事業者、産業廃棄物処理業者は、処理する廃棄物にリチウム蓄電池廃棄物が含まれる場合、帳簿にその旨を記載する。
- 産業廃棄物保管基準:保管場所には仕切りを設けるなど、火災防止措置を講じる必要がある。また、落下や衝撃、引きずるといった粗暴な扱いを禁じ、炎や火花、高温体から遠ざけることも義務付ける。
- 委託契約と管理票(マニフェスト):委託する産業廃棄物にリチウム蓄電池廃棄物が含まれる場合、委託契約書にその旨を記載しなければならない。排出事業者は産業廃棄物管理票に数量を記載し、引渡し時にそれらが含まれる旨と数量を確認する。
- 電子マニフェスト登録と許認可:電子マニフェストの登録事項や許可申請書、変更届出にも同様の記載を義務付ける。再委託における承諾の書面や契約書も対象となる。
- 優良認定事業者:処理する廃棄物の情報公表が義務付けられている優良認定事業者の基準に、リチウム蓄電池廃棄物が含まれる旨の公表を追加する。
- 輸出入:輸出確認申請書や輸入許可申請書、およびそれらの報告書に、当該廃棄物が含まれる旨を記載する。輸出側では数量の記載も求める。
改正案は、リチウム蓄電池が含まれる有害使用済機器の保管基準も強化し、同様に粗暴な扱いや炎・高温体への接近を禁じる。また、産業廃棄物収集運搬船に表示する許可番号を下6桁に短縮する。
一般廃棄物と産業廃棄物の義務は個別に規定されている。産業廃棄物処理施設の許可を持ち、事前届出により同様の一般廃棄物を処理する施設も、その届出にリチウム蓄電池廃棄物を記載する必要がある。同省によると、こうした廃棄物はプラスチックと一体となった製品という既存の区分に該当し得るという。
従来の許可証などの様式は改正後の様式とみなされるため、すでに提出された申請書や交付済みの許可証などを差し替える必要はない。
日程と意見提出方法
意見募集は2026年11月4日に開始され、同省の募集要領では締切を12月3日としている。電子政府の総合窓口(e-Gov)の掲載ページでは、受付締切日時を12月4日0時0分としている。意見は日本語で作成し、e-Govの意見入力フォームから提出する必要がある。電話での提出は受け付けず、個別の回答も行わない。同省は募集期間終了後、意見の概要とそれに対する考え方を取りまとめて公表する予定だ。
| 手続 | 日程 |
|---|---|
| 意見募集開始 | 2026年11月4日 |
| 意見募集締切 | 募集要領では2026年12月3日(e-Gov掲載は12月4日0時0分) |
| 公布予定 | 2026年12月下旬 |
| 施行予定日 | 2027年4月1日 |
同省はスケジュールについて、今後変更の可能性があるとしている。公布日に施行されるのは、表現の適正化に関する規定のみとなる。
