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政策ウォッチ

グリーン購入法基本方針の改定案、共通上位基準に鉄鋼の炭素データ要件

環境省の改定案では、鉄鋼を使用した物品が共通の上位基準を満たすには、追跡・管理された排出削減実績量が反映されライフサイクルでの排出量データが開示された鉄鋼の使用が要件となる。意見公募は12月3日まで。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年11月5日3分で読める
製鉄所のヤードに置かれた鋼材のコイルや形鋼と、各ロットに紐づく炭素データを表す抽象的な積み上げ棒グラフ。

環境省は11月4日、国や独立行政法人などが優先的に購入すべき製品を定めるグリーン購入法の基本方針改定案について、パブリックコメント(意見公募)を開始した。受付期間は12月3日までで、電子政府の総合窓口(e-Gov)上の締切日時は12月4日0時0分となっている。

今回の意見募集は行政手続法に基づく手続ではなく任意の募集で、グリーン購入法第6条第6項を根拠としている。

上位基準に鉄鋼の要件

改定案の共通の判断の基準は、原材料に鉄鋼が使用されたすべての物品に適用される。このうち上位の「基準値1」では、排出削減実績量の効果が製品に反映され、かつライフサイクルにおける温室効果ガス排出量の定量的環境情報が開示された鉄鋼の使用を要件としている。削減実績量は日本鉄鋼連盟の「GXスチールガイドライン」に基づき算定されたものでなければならない。

一方、製造事業者が基準値1を満たす製品を製造する時期と販売される時期に差が生じることで、基準を満たす鉄鋼の使用が困難な場合は適用除外とし、鉄鋼の要件を課さない。また、必須要件ではない「配慮事項」として、非化石電力を活用した鋼材とクリアランス金属の2項目を掲げた。改定案はクリアランス金属について、原子力施設で用いられた金属のうち、原子力規制委員会の確認を受けて核燃料物質に汚染されていないものとして扱われる金属と定義しており、外国で同種の確認を受けた金属も含めている。

改定案は今回の見直しをグリーントランスフォーメーション(GX)の推進と位置づけており、公共部門による先端的な環境物品の調達を初期需要の創出に重要だとした2025年2月閣議決定の戦略を引用している。

2段階基準の仕組み

2段階の基準が設定されている品目では、各機関が基準値1と基準値2の双方について毎年度の定量的な調達目標を設定し、供給上の制約や調達上の支障がない限り基準値1で調達することとしている。こうした品目が基準値1となるのは、品目別の基準値1を満たす場合、または共通の基準値1と品目別の基準値2をともに満たす場合である。共通の鉄鋼基準を満たさない場合でも、品目別の基準を満たせば基準値2として適合する。

改定案に盛り込まれた猶予期間

品目別の判断の基準には、いくつかの経過措置が設けられている。

  • 電気冷蔵庫及び電気冷凍庫:2026年2月3日に閣議決定された基本方針のエネルギー消費効率の基準を満たす製品は、2027年9月30日まで該当するエネルギー消費効率の基準を満たすものとみなす。
  • 乗用車:カーエアコンの冷媒に関する要件は、2027年3月31日まで適用しない。
  • 磁気ディスク装置、ディスプレイ、電気冷蔵庫の再生プラスチックに関する要件:2027年4月に始まる年度において1年間の猶予期間を設ける。

改定案のPDFでは削除箇所と追加箇所が続けて印字されているため、文字列だけでは変更行を判別しにくい。

意見の提出方法

意見はe-Govの意見提出フォーム、または同省環境経済課([email protected])宛ての電子メールで提出する。メールの場合は添付ファイルを付けず本文に記載する。日本語で2000字以内とし、対象となる改定案のページ数と行数を明記する必要がある。直接持参や電話での意見は受け付けず、個別の回答も行わない。提出された意見は連絡先を除き公開される可能性がある。