日本都市ファンド投資法人(東証:8953)は、大阪の商業用底地を鑑定評価額の2.5倍超で売却する。この売却をもう一件の底地売却と組み合わせ、合算した売却代金を、歩合賃料が固定賃料を上回るとの見立てのもとで再投資する。
売却の概要
2026年9月17日、資産運用会社のKJRマネジメントは、大阪市浪速区の商業用地の底地を、鑑定評価額24億3000万円に対し61億円で売却することを決定したと発表した。鑑定評価額の2.5倍超に相当する。帳簿価額は17億1700万円で、売却益は約43億円と見込まれる。売却代金自体は2027年9月末までに2回に分けて支払われる予定だ。買主は非公開の国内事業会社であり、同ファンドは当事者間に資本関係、人的関係、取引関係はないとしている。
この取引に先立ち、2026年6月1日にはもう一件の底地売却が開示されていた。固定賃料の2物件を合わせた売却額は131億円だった。
| 指標 | 合計(2物件) | 浪速区単独物件 |
|---|---|---|
| 譲渡価格 | ¥13.1bn | ¥6.1bn |
| 鑑定評価額 | 合計では非開示 | ¥2.43bn |
| 鑑定評価額に対するプレミアム | 両取引全体では確定していない | 2.5倍超 |
| 推定売却益 | 前回決算発表以降に確保した55億円に含まれる | 約43億円 |
インフレ連動型底地への資金の再投資
同ファンドは資金を手元に留保するのではなく、銀行借入を伴わずに設立された無借金の特別目的会社(SPC)への匿名組合出資を通じて投じる。この資金は、インフレに連動する17件の底地賃貸借に充てられる。SPCが無借金であることから、同ファンドはこの仕組みにより分配金に金利変動リスクは生じないとしている。売却資産の帳簿価額ベースのNOI利回りと新規リースの想定分配利回りはいずれも同じ4.7%に据え置かれており、今回の取引は利回りを犠牲にするものではない。固定賃料による確実性を、伸び代のある歩合賃料要素と交換する取引だ。
分配金への影響
浪速区売却による売却益は2期に分けて支払われる見込みで、2027年8月期に約21億円、2028年2月期に約21億円が支払われる予定だ。直近の2026年8月期および2027年2月期の業績予想には変更はない。前回決算発表以降、同ファンドは今回の取引を含め55億円の売却益を確保したとしており、累計では117億円を実現済みで、未計上分についても複数の意向表明書(LOI)を取得済みだという。今回の見直しが業績見通しに与える影響について、次の正式な発表は2026年10月21日の決算で示される予定だ。
