東京に本社を置く独立系発電事業者イーレックスは、3つの償還期限に分けた無担保普通社債84億円を発行した。7月に関東財務局に提出した500億円の発行登録枠から初めて調達する資金となる。今回の起債以前、この発行登録枠は一切利用されていなかった。
3つのトランシェは、単一の価格ではなくイーレックスの信用力を利回り曲線全体で示す形となった。最短年限の社債は表面利率2.740%で2028年3月満期、中間トランシェは3.506%で2029年9月満期、最長トランシェは4.516%で2031年9月満期となる。
| トランシェ | 金額 | 表面利率 | 償還期限 |
|---|---|---|---|
| 第3回無担保社債(1.5年) | ¥2.0bn | 2.740% | 2028年3月24日 |
| 第4回無担保社債(3年) | ¥2.7bn | 3.506% | 2029年9月25日 |
| 第5回無担保社債(5年) | ¥3.7bn | 4.516% | 2031年9月25日 |
日本格付研究所は提出日時点で本社債にA-の格付けを付与した。3トランシェにはいずれもパリパス条項(社債間限定同順位特約)が付され、イーレックスが国内で発行済みまたは今後発行する他の無担保社債に担保を提供した場合、この3トランシェにも同等の権利が及ぶ。社債管理者は設置されておらず、社債権者は自ら債権を監視・行使する必要がある。財務代理人は三井住友銀行が務める。
申込期間は2026年9月15日で、払込(決済)は9月25日だった。引受は大和証券を主幹事として、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券の5社によるシンジケート団が担った。
資金使途について、イーレックスは手取金約83億5000万円のうち50億円を、来年4月満期の第1回無担保社債の償還に充てるとした。さらに25億円は、燃料の転売取引や低圧電力需要の拡大に伴う運転資金として2027年3月末までに充当する予定。残りは再生可能エネルギー関連投資を含む成長投資に充てられ、2028年3月末までに支出される計画だ。
発行登録書には、イーレックスの他の債務に連動する期限の利益喪失条項も明記されている。保証債務の合計額が5億円を超える不履行が生じた場合に期限の利益を喪失する仕組みで、同社グループがシンジケートローン契約上の財務制限条項にも別途晒されていることを踏まえると、注視すべき水準といえる。
