三陽商会は8月28日、6月の天候不順が初夏の販売シーズンを直撃し、上期(6カ月間)の利益予想が黒字から赤字に転落したことを投資家に明らかにした。同時に取締役会は発行済株式の最大9.2%に相当する自己株式取得を進めることを決定した。同社はこれを販売不振とは無関係とし、既存の資本還元方針に基づくものと位置付けている。
8月末までの6カ月間について、同社は売上高を従来予想の276億円から19億円引き下げ、257億円と見込む。営業利益は従来予想の1億円の黒字から4億円の赤字に、経常利益は5000万円の黒字から3億6000万円の赤字に、親会社株主に帰属する当期純利益は4000万円の黒字から4億8000万円の赤字にそれぞれ転落する見通し。1株当たり利益は従来予想の4円02銭から48円19銭の損失に変わる。
| 項目 | 従来予想 | 修正後予想 | 前年同期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥27.6bn | ¥25.7bn | ¥27.0bn |
| 営業利益 | ¥100mn | -¥400mn | -¥213mn |
| 経常利益 | ¥50mn | -¥360mn | -¥149mn |
| 純利益(親会社株主帰属) | ¥40mn | -¥480mn | -¥299mn |
| 1株当たり利益 | ¥4.02 | -¥48.19 | -¥28.10 |
経営陣は、国内の中高価格帯アパレル市場全体の低迷を要因として挙げる。物価上昇に対する消費者の節約志向や、政治・経済情勢の先行き不透明感が消費支出の重しとなっているという。影響は春夏プロパー(正価)販売シーズンの終盤にあたる6月に集中し、季節外れの天候により6月の売上高は前年比9割に落ち込み、同月の営業利益は大幅に減少した。
同社によれば、これに対し販売数量を追わず価格政策を厳格化する対応を取ったという。採算を悪化させた前年の大幅値引き販売を繰り返す代わりに、7月・8月はセール販売を抑制し、プロパー販売を前年比108%に伸ばすとともに、売上総利益率を3.3ポイント改善させた。これにより傾向は上向いたものの、上期中に6月の損失を取り戻すには至らなかった。
三陽商会は通期予想を据え置き、売上高600億円、営業利益21億円の見通しを維持した。7月以降の価格政策の厳格化を下期も継続することで、上期の未達分を補えると見込んでいる。
同日発表された自己株式取得は、自己株式を除く発行済株式数の最大9.2%に相当する270万株を上限とする。取締役会は当初、取得価格が未確定であることから取得額の上限を58億1000万円としていたが、金曜日の終値確定を受け、取得価格を1株1688円と決定し、上限額を45億6000万円に引き下げた。取得は8月31日、東京証券取引所の立会外取引(ToSTNeT-3)を通じて実施し、結果は同日の取引終了後に判明する見通し。三陽商会は、今回の取得は4月に更新した中期経営計画で示した株主還元方針を実行するものであり、修正後の1株当たり利益予想には今回取得予定の株式は織り込んでいないとしている。同社株式は9月1日付で1対3の株式分割を実施する予定で、自己株式取得の上限株数および現在の株式保有数はいずれも分割後の株数で示されている。
