金融庁と消費者庁は10月28日(水)14時から15時45分まで、新たな多重債務問題対策推進懇談会を開催する。金融庁が27日付で公表した。議題は多重債務者対策をめぐる現状と施策の動向に関する説明と、それに続く意見交換で、決定事項は挙げられていない。会議は都内の合同庁舎とオンライン(Webex)で開かれる。会場での傍聴は受け付けておらず、オンライン傍聴の登録は締め切られた。
新懇談会設置の経緯
同懇談会は、内閣の多重債務者対策本部の下に置かれていた会議体を引き継ぐ。同本部は金融担当相を本部長として2006年に設置されたが、2007年を最後に開催されていなかった。行政の合理化の一環で、所期の目的を達成したと判断された他の閣僚会議などとともに、2026年1月20日の閣議決定で廃止された。金融庁と消費者庁は、多重債務をめぐる状況から継続的に検討する場がなお必要だとして、計23回開催された2012年設置の有識者懇談会の後継として今回の懇談会を開く。
問題の規模
厚生労働省が懇談会向けに提出した資料では、信用情報統計に基づく2026年2月末時点の無担保無保証借入3件以上の人数を約153万人としている。同省は、生活困窮に陥るおそれのある各対象層には重複もあるとしている。
相談件数の推移は窓口によって異なる。財務局に寄せられた多重債務相談は2025年に7104件と、2024年の6552件から増加した。一方、地方自治体は2万9429件から2万7972件に減少した。全国の消費生活センター等の集計では2025年度が2万4120件で、前年度の2万4653件を下回った。日本貸金業協会の2025年度の相談受付は前年度比9.0%減の1万334件だったが、ヤミ金融・違法業者に関する相談は208件から230件に増え、2026年度上半期も前年同期の93件から24.7%増の116件に達した。同協会は、接触経路や手口の変化に注視が必要だとしている。
銀行カードローンをめぐっては、保証業務を行う貸金業者26社の2025年度末の求償権残高が3247億円となり、前年度末の3063億円から増加した。経済産業省の報告によると、日本クレジット協会の消費者相談室が2025年度に受け付けたクレジットカード関連の相談は3718件で、うち39件が複数のカード会社の債務に関するものだった。
説明資料には警察統計に基づくデータも掲載されており、2025年に多重債務が原因・動機の一つとされた自殺者数は962人と、2024年の853人から増加し、全体の5.0%を占めた。警察の統計では1人につき最大4つまで原因・動機を計上できる。
ヤミ金融への対応
金融庁によると、XやInstagramで個人間融資を勧誘する無登録業者への警告は3889件に上り、併せてSNS事業者に対し、違法行為を行うアカウントに関する情報提供も行った。2026年9月末時点で3543件(91.1%)のアカウントが削除または凍結された。また、同庁は9月11日、ウェブサイト上で営業する海外の無登録業者に対して警告を行った。
警察庁は検挙事例として、山形県警の事件を挙げた。グループがショートメッセージサービス(SMS)で融資を勧誘し、申し込んだ顧客約1万3000人に法定利息の約2.7〜189倍で貸し付け、約3億円を受け取っていた。また、クレジットカードの現金化サイトを通じて約110億8600万円を受け取っていた警視庁の事件も挙げている。
