エア・ウォーター(4088)は不祥事を受けたガバナンス刷新のうち体制面の整備を終えたが、人員体制の拡充と責任追及はこれからとなる。同社は10月28日、改訂した改善計画・状況報告書を東京証券取引所に提出した。東証による5月1日付の特別注意銘柄指定を受けた対応であり、本稿は以前のTokyo Briefの記事(以前のTokyo Briefの記事)の続報である。
実施済みの施策。9月22日の臨時株主総会で監査等委員会設置会社へ移行し、監査等委員である取締役に取締役会での議決権を付与した。取締役会議長は社長から社外取締役に交代し、新任取締役が財務・経理担当役員に就いた。10月8日には取締役会が最高経営委員会を廃止して日常的な意思決定を引き継ぐ経営会議を新設し、取締役会が戦略や内部統制、改善計画そのものに注力できる体制とした。
未完了の課題。内部監査部門の人員は7月1日時点の17人から9月30日時点で25人に増えた。2027年3月までに当初見込んでいた29人を下回るものの、年12人を増員し2028年度末までに52人体制とする計画は順調に進んでいるとしており、不足分は外部専門家の活用で補っている。また、社外の弁護士で構成する委員会が現旧の取締役および監査役に義務違反がなかったか調査しており、報告書では2026年12月の調査完了を見込む。同社はその後、責任追及を行うとしている。経営陣と従業員との対話集会は、実施期限を2027年3月から11月末へ前倒しし、海外を含む全連結子会社で完了する予定だ。
原因分析。報告書は不正の原因として、業績目標を最優先する企業風土と元会長への権力集中を挙げた。さらに、200社超のグループ会社を16人の経理部門で担当していたことや、内部監査室の人員不足も指摘した。不正の範囲は親会社とグループ会社37社、自主点検を含めると42社に及ぶとした。同社は、グループ全体にコンプライアンス意識が定着したとはまだ考えていないとしている。
