ENEOSホールディングス(5020)は、ヒューストンを拠点にC4ケミカルを手掛けるTPC Holdingsの買収を完了した。取得価額の見込額は7億5800万米ドル。10月27日付の買収完了に関する開示によると、取引は米国時間2026年10月26日に完了し、TPCはENEOSの機能材セグメントに属する連結子会社となった。
取得価額とスキーム
7億5800万米ドルは現時点の見込額で、ENEOSはネット有利子負債などの調整項目を反映した上で最終確定するとしている。
買収はENEOSが設立した特別目的会社とTPCを合併させ、TPCを存続会社とする方式で実施した。TPCの既存株式2779万3565株は消却され、株主は現金を受け取る権利を取得した。一方、特別目的会社の株式1000株がTPCの普通株式1000株に転換されたため、ENEOSは2780万株を取得した後の所有株式数を1000株(議決権所有割合100%)と報告している。TPCの株主名簿上の株主はENEOS Holdings USA Inc.となる。
開示資料は株式取得の相手先として、Redwood Capital Management、Monarch Alternative Capital、PGIM, Inc.の3社を挙げている。いずれについても、当該ファンドおよび業務執行組合員とENEOSとの間に記載すべき関係はないとしている。
買収対象の概要
TPCは持株会社で、主要事業子会社のTPC Group, Inc.がブタジエンなどC4留分の分離・精製および誘導品の製造・販売を手掛ける。ENEOSによると、TPCはブタジエン、ラフィネート、1-ブテン、ポリブテンで北米トップシェアを握る。今回の買収でENEOSグループのブタジエン生産能力は世界トップ3規模に高まるという。
買収の狙いについて、ENEOSは第4次中期経営計画に掲げるポートフォリオ再編の一環だと説明している。国内需要の縮小や、安価なシェールガス由来原料という米国の強みを理由に挙げた。ブタジエンは、ENEOSがすでに販売している低燃費タイヤ向け溶液重合スチレン・ブタジエンゴムなどエラストマーの主要原料となる。
収益基盤の弱含み
事業子会社であるTPC Group, Inc.の近年の業績は強弱が混じる。売上高は2024年に16億8100万米ドルへ増えた後、2025年は15億1100万米ドルに減少。営業利益は1億1800万米ドルから2025年には2500万米ドルへ落ち込み、親会社株主に帰属する当期純損益は3400万米ドルの赤字に転落した。
| 項目 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $1,587mn | $1,681mn | $1,511mn |
| 営業利益 | $93mn | $118mn | $25mn |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | $26mn | $9mn | -34百万ドル |
ENEOSによると、連結業績への影響は現在精査中で、業績予想の修正が必要となった場合は速やかに公表する。今回の開示に買収資金の調達条件は記載されていない。
