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ディリーバの手術AI、CEATECイノベーション賞 独自評価で80%超

ディリーバの内視鏡手術向け言語モデルが、手術室での実証で解剖学的正確性84.7%、臨床的有用性82.9%を記録。自社設計のベンチマークによる評価で、まず手術教育から展開する計画

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月7日2分で読める
手術室の内視鏡手術用モニター。映像の横に、手術AIモデルの構造化された出力を表す4つの抽象的なパネルが並ぶ

ディリーバ(Direava)が、内視鏡手術の映像を読み取り、起きている状況を言葉で説明する生成AIモデルで「CEATEC AWARD 2026」のイノベーション賞を受賞した。経済産業省とともにGENIACを実施する国立研究開発法人のNEDOが、2026年10月6日に発表した。

モデルの機能

「Surgical VLM」と呼ぶこのシステムは、内視鏡映像を解析し、術野にある対象、行われている操作、その背景にある外科的知識を統合して言語化する。NEDOの発表資料によると、従来の手術AIは臓器や血管、神経を認識する「目」の機能が中心だったが、このモデルは状況の解釈もできる。ディリーバは、国内初の外科特化型生成AI基盤モデルだとしている。

学習データは外科医自らが作成し、対象、動作、根拠、次工程の4カテゴリで構造化した。ディリーバはこのデータで、大規模な日本語マルチモーダルモデルをファインチューニングした。

評価結果と評価基準の設定者

この分野には評価基準がないため、ディリーバは独自のベンチマーク「Surgical-VLM Bench」を策定し、外科専門医が出力を5段階で評価する方式とした。大学病院の手術室でのリアルタイム実証では、解剖学的正確性が84.7%、臨床的有用性が82.9%で、両項目とも80%を超えた。発表資料には標本数も比較対象のモデルも示されていない。スコアは開発側自身の枠組みによるもので、外部の基準によるものではない。

教育用途から手術現場へ

発表資料によると、ディリーバはまず手術教育から着手し、若手外科医、医学生、地方の中核病院にサービスを提供する計画だ。その後、必要な薬事手続きを経たうえで術中の情報提示・確認支援を検討し、さらに部分自動化も視野に入れる。発表資料は、消化器外科医が今後20年でほぼ半減し、2040年にはがん手術を担う医師が約5000人不足するとの予測を挙げている。

この研究は、NEDOと経済産業省が実施する生成AI開発支援事業GENIACの下で、2025年8月から進められた。ディリーバは、NEDOが2026年6月に発表したGENIACのプロジェクトで、手術安全性向上のための外科手術未来予測モデルも開発している。

NEDOは10月13〜16日に幕張メッセで開かれる「CEATEC 2026」の同機構ブースで、この成果を展示する。