アンリツ(6754)は、光トランシーバーの検査に使う計測器の需要拡大を受け、2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。同じ発表で、電気自動車(EV)・電池向け試験事業の予想は引き下げ、赤字になるとの見通しを示した。
業績予想の修正
2026年10月29日の取締役会で決議した修正では、売上収益予想を従来の1400億円から1450億円に、営業利益予想を200億円から220億円に引き上げた。親会社の所有者に帰属する当期利益は150億円から160億円に増額した。通信計測事業の営業利益予想は165億円から200億円に引き上げた。同社は、光トランシーバー生産市場向けの計測器需要が好調で、期初計画を上回る見込みだとしている。
中間決算では、この需要をAIと関連づけている。アンリツは、AIの普及拡大を背景に光トランシーバー市場を含むデータセンター関連需要が好調だったほか、前年の米国の関税政策の影響で遅れていた顧客の投資が回復したと説明した。通信計測事業の4〜9月期の営業利益は120.2%増の86億9000万円だった。
不振部門
環境計測事業は例外だ。アンリツは同事業の営業損益予想を、4月時点の10億円の黒字から12億円の赤字に引き下げ、売上収益予想も160億円から145億円に減額した。国内のEV・電池向け試験投資の遅れと、連結子会社でののれんの減損計上を理由に挙げた。中間期の減損損失は13億4000万円、同事業の営業損失は12億6000万円だった。決算説明会資料では、データ収集システムが堅調を維持する一方、EV・電池向け試験装置の需要は調整局面にあるとしている。
株主還元
期末配当予想は25円から38円に引き上げ、中間配当の25円と合わせた年間配当予想は1株当たり63円(前期は50円)となる。アンリツは、利益の成長に応じて親会社所有者帰属持分配当率(DOE)を引き上げることを基本方針とし、連結配当性向50%以上を目標に掲げている。
業績予想には、実際の業績が大きく異なる可能性があるとの定例の注意書きが付されており、要因として需要動向や価格下落圧力、為替レートなどが挙げられている。下期の想定為替レートは1ドル=150円としている。
