赤澤経済産業相は燃料補助金を巡り、首相から2点の指示を受けたことを明らかにしたが、具体策の決定には言及しなかった。10月27日の閣議後記者会見で、高市首相から10月23日金曜日に今後の支援のあり方の検討と、支援継続に必要な基金規模を固めるよう指示されたと説明した。Tokyo Briefの関連記事
首相からの指示内容
赤澤氏が説明した指示は2点ある。1点目は、中東情勢が物価や経済に与える影響を注視しつつ、各党の提案も踏まえて今後の支援のあり方を検討すること。2点目は、当面の燃料油支援に必要な基金規模を確保するため、片山財務相と調整を進めることだ。
赤澤氏は、見直しは現在検討を進めており予断を持って語れないとした上で、支援単価や措置の出口も含めて柔軟に検討する考えを示した。補助金を激変緩和措置と位置づけ、与野党双方から財政負担への懸念が示され、段階的な見直しや出口戦略を求める指摘が出ていることにも言及した。
見直し後の補助額の目安や時期については示さなかった。
与党提言は既定方針にあらず
自民党が前日にまとめた提言を見直しの軸とするのか問われたのに対し、赤澤氏はそうするとは明言しなかった。質問によると、同提言は170円の目標価格を毎月5円程度ずつ引き上げる内容。赤澤氏は与野党双方の意見を踏まえて総合的に判断するとし、予断を持って語れる段階にはないとした。
また、政府が為替相場や原油の供給動向を織り込んでいるとの見方を否定した。経産省として円相場にはコメントせず、個別の市場動向を根拠に判断しているわけではないと述べた。補助金が縮小すれば原油高が利用者を直撃するのではないかとの追及には、企業による価格転嫁の動きや冬の到来を挙げ、灯油価格が急騰すれば北海道などの寒冷地に影響が及ぶと指摘した。中東情勢は2月28日から続いており、激変緩和措置はその発生直後の混乱の中で導入されたものだと説明した。
EUの原産要件
欧州関連では、赤澤氏は産業加速化法(IAA)に基づくEU原産要件によって日本製の電気自動車(EV)が支援制度の対象外となり、欧州市場から締め出されかねないとの日本側の懸念を示した。影響についての同氏の見立てだ。会見録には同要件の法制上の手続き状況は記されておらず、質問側は欧州製EVの優遇措置案として言及していた。
同相は、電気自動車(EV)を含め日本産の製品が欧州連合(EU)製と同等に扱われることは、双方にとって極めて重要だと述べた。ドイツのメルツ首相を含む両国の経済界関係者約300人が出席予定の日独ハイレベル経済サミットで冒頭挨拶を行う予定で、その場でメルツ氏と直接言葉を交わしたいとしている。記者側の質問ではメルツ氏は翌日に来日するとされたが、会見録に同サミットの開催日は記されていない。
台数ベースでは米国市場ほどの規模ではないものの、日本の自動車メーカーは欧州へかなりの量を輸出しているほか現地生産も行っており、生じる不利益は看過できないと述べた。具体的な台数は示さなかった。
その他の項目
赤澤氏は、26日のサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議を受け、経産省が27日に各都道府県のよろず支援拠点と中小企業基盤整備機構のIT経営サポートセンターに無料のサイバーセキュリティ相談窓口を設置すると発表した。また、同省が来月立ち上げる予定のホワイトハッカーチームについて、サイバー対処能力強化法で内閣官房と警察庁、防衛省の所管とされている能動的サイバー防御を念頭に置いたものではなく、高性能AIを用いてペネトレーションテストを実施するためのものだと説明した。GMOが能動的サイバー防御の実施を緊急要請したことに関する質問に答えた。
