教室やオフィス向けのITシステムを構築する東証上場の内田洋行は、2026年7月期を全項目で過去最高の売上高・利益で終えた。その要因はほぼ一つ、5年前に全国配布された「GIGAスクール」構想の1人1台端末が更新時期を迎えたことにある。
連結売上高は26.3%増の4257億円、営業利益は28.4%増の156億円、経常利益は27.8%増の168億円、親会社株主に帰属する純利益は27.1%増の125億円だった。いずれも、教育関連需要やWindows更新需要を追い風に過去最高を記録していた前年をさらに上回った。
成長には偏りがあった。学校や自治体向けに端末の調達・キッティング・導入を手掛けるパブリック関連セグメントは、売上高が73.6%増の1610億円、営業利益が71.2%増の89.7億円となった。同社によれば、今回の更新サイクルではGIGAスクール構想の初回配布時よりも多くの端末を導入し、学校の校務系・学習系ネットワークを統合する大型契約も獲得した。一方、民間市場向け事業の成長ははるかに緩やかだった。
| セグメント | 売上高(百万円) | 売上高増減率 | 営業利益(百万円) | 利益増減率 |
|---|---|---|---|---|
| パブリック関連 | 161,038 | +73.6% | 8,974 | +71.2% |
| オフィス関連 | 59,172 | -0.4% | 2,132 | +7.3% |
| 情報関連 | 204,447 | +11.3% | 4,293 | -6.5% |
| その他 | 1,071 | -10.2% | 174 | -39.9% |
企業向けソフトウエアライセンスやITインフラを販売する情報関連セグメントは、クラウド利用の拡大とWindows 10サポート終了に伴う更新需要の継続を背景に売上高が11.3%増加したが、供給の遅れが利幅の大きい中小企業向けシステムインテグレーションに影響し、営業利益は6.5%減少した。オフィス関連セグメントは、前年計上の大型契約の反動で売上高が0.4%減とほぼ横ばいだったが、海外事業の回復により利益は7.3%増加した。
現金創出力は大きく改善した。営業活動によるキャッシュフローは131億円と、前年の5.49億円から大幅に増加した。税前利益の増加と、前受による契約負債の急増が主因だ。自己資本比率は5.5ポイント上昇し45.8%となった。
取締役会は期末配当を1株当たり76円に引き上げた。6月時点で示していた72円からの上乗せで、利益の上振れと上場有価証券売却益を理由に挙げた。この1株当たり配当額は、2026年1月21日を効力発生日とする1対5の株式分割を反映したものであり、分割前基準では380円に相当する。同社は来期の配当についても、分割後基準で同じ76円を予定しているとしている。
経営陣自身の業績見通しが、今期がおおむね一時的な需要要因であり新たな成長段階への移行ではないことを物語っている。2027年7月期について内田洋行は、GIGAスクール端末の更新需要が一巡し、Windows 10更新に伴うIT需要も収束するとして、売上高を6.0%減の4000億円、営業利益を4.0%減の150億円、経常利益を4.6%減の160億円、純利益を15.9%減の105億円と予想している。それでも同社は、この見通しが現行3カ年計画で当初この段階に想定していた売上高3400億円・営業利益115億円を依然上回っているとし、民間のデジタル投資や自治体のシステム標準化対応の一部が来期にずれ込んだことで、想定していたよりも高い水準が続くとの見方を示している。
