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政策ウォッチ

日本郵便、フリーランス167者への契約開示不備と140者への支払い遅延で是正命令

日本郵便がフリーランス契約事業者167者への契約条件開示を怠り、うち140者への法定支払期限を守らなかったと公正取引委員会が認定、フリーランス保護法に基づき取締役会決議、同様契約の遡及監査、社員研修を命じた

執筆:Tokyo Brief Desk2026年9月2日2分で読める
郵便物仕分け拠点で配達員がバンに荷物を積み込む様子を描いたイラスト。日本郵便によるフリーランス契約事業者の派遣を想起させる。

公正取引委員会(JFTC)は9月2日、日本郵便に対し、フリーランス労働者との契約対応の見直しを命じる勧告を出した。同社がフリーランス契約事業者167者に対して必要な契約条件を開示せず、うち140者について法定の支払期限を守らなかったことが判明したためだ。

違反行為は2024年11月1日から2025年6月30日まで続き、フリーランス・事業者間取引適正化法の下で、重複しつつも異なる2つの違反に分かれる。

2つの違反、重複する契約事業者群
公正取引委員会による9月2日付勧告(対象期間:2024年11月1日~2025年6月30日)に基づく。
違反内容対象契約事業者数法定要件法的根拠
契約条件の開示167給付内容、報酬額、支払期日の直ちの書面または電磁的方法による通知Article 3(1)
期限内の支払い140設定された期限内の支払い、期限が設定されていない場合はみなし期日(給付を受領した日)までの支払いArticle 4(5)

同法が「特定受託事業者」と分類する167者全員について、日本郵便は給付内容、報酬額、支払期日を含む必要な契約条件の全部または一部を、同法第3条第1項が求める通り直ちに書面または電磁的方法で通知していなかった。同じ契約事業者のうち140者については支払期限を過ぎても未払いだった。日本郵便がこれらの事業者に支払期日を定めていなかったため、第4条第2項の規定により給付を受領した日がみなし期日となったが、同社はその期日までに支払わず、第4条第5項に違反した。

対象となった業務は郵便配達にとどまらなかった。日本郵便の委託業務には、研修講師、郵便物・荷物の配達や集荷運転、有識者会議への出席、チラシ制作、除雪、除草作業などが含まれていた。日本郵便の資本金は7000億円で、本社は東京都大手町にある。

今回の勧告に課徴金は科されていない。命じられた措置は4点ある。日本郵便の取締役会は、両違反を正式に認め、今後は契約条件を直ちに開示し期限内に支払うことを確約する決議を可決しなければならない。同社は2024年11月1日から勧告日である2026年9月2日までに交わした同様の契約すべてについて、同様の開示・支払いの問題がないか監査し、判明した問題があれば是正しなければならない。フリーランスへの業務委託を行う担当者向けに、社内研修とコンプライアンス体制を整備しなければならない。さらに、自社の取締役会および従業員、そして影響を受けた契約事業者本人に対して、今回の勧告とそれに対する対応措置を通知し、その措置について公正取引委員会に報告しなければならない。

今回の勧告の根拠となった法律は、正式名称「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、フリーランスを起用する企業に対し、契約条件の即時開示と、給付受領から60日以内の支払期限設定を義務付けている。企業が期限を定めない場合、給付を受領した日がそのまま法定の支払期日となる。この基準が中小の下請け業者ではなく大手企業に適用された今回のケースは、ギグワーク型労働力を活用する他の大手委託元企業にとって、公正取引委員会が何を違反とみなし、どのような是正措置を求めるかを示す具体的な事例となる。