東京センチュリーは2026年9月2日、米航空機リース会社Aviation Capital Group LLC(ACG)の持株会社であり、自社が全株式を保有するTC Skyward Aviation U.S., Inc.(SKY-U)の株式の半分を伊藤忠商事に譲渡する最終契約を締結した。この契約は、両社が2026年8月3日に締結した法的拘束力のある基本合意に基づくもので、同合意では譲渡方法、価格の基本条件、および今後ACGを統治する株主間取決めが定められていた。
契約条件では、東京センチュリーは保有するSKY-U株式6,563株のうち3,281株を譲渡し、議決権比率を100%から50%に引き下げる。伊藤忠商事の取得価格は19億4600万ドルで、2025年12月末時点のACGの財務内容をベースに、譲渡前にACGが実施する特別配当およびSKY-Uが抱える繰延税金負債について調整を加えた金額となる。クロージングに先立ち、東京センチュリーはSKY-Uが保有する航空機リース事業に関係しない資産を切り離す予定で、これにより伊藤忠商事が出資する対象会社はACG関連資産のみを保有することになる。
譲渡は2026年11月を目標としており、実行後はSKY-UとACGが東京センチュリーの連結貸借対照表から外れ、子会社から持分法適用会社に変わる。東京センチュリーは今回の措置を中期経営計画2030に基づく資本規律の一環と位置付けており、航空機リース業界全体で再編が進む中、自社のリスク許容度と資本効率の観点から単独でACGの資産規模を拡大し続けることには限界があったとしている。同社が挙げる想定シナジーは、ACGの新造機リース事業の拡大、航空機の取得・売却活動の強化、ACG自身の信用格付けと資金調達力の向上を通じた収益性の改善、そして買収機会やポートフォリオ変更の共同検討である。
買い手は第三者ではない。伊藤忠商事は2026年3月末時点で東京センチュリーの議決権の29.96%(1億4686万株相当)を既に保有しており、今回の取引は関連当事者間取引に該当する。東京センチュリーの取締役会は基本合意を賛成10、反対0で承認したが、2025年まで伊藤忠商事の従業員であった取締役1名は審議および議決を棄権した。同社はまた、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とUBS証券から独立した株式価値算定意見を取得したほか、独立社外取締役5名から本取引が少数株主に不利益を与えないことを確認する意見書を取得した。
| 会計年度(12月期) | 純資産(百万ドル) | 総資産(百万ドル) | 売上高(百万ドル) | 純利益(百万ドル) |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 3,412 | 12,860 | 1,212 | 153 |
| 2024 | 3,554 | 12,089 | 1,242 | 161 |
| 2025 | 4,176 | 13,691 | 1,287 | 701 |
対象事業の価値は高まりつつある。ACGの純利益は2025年12月期に7億100万ドルとなり、前年の1億6100万ドルから増加した。総資産は136億9100万ドル。一方、非ACG関連の旧来資産も一部抱えるSKY-U自体は1200万ドルの純損失を計上した。東京センチュリーは今回の売却により、連結ベースで約500億円、単体ベースで約700億円の特別利益が発生する見通しで、親会社株主に帰属する純利益への影響は約300億円のマイナスと見込んでいる。いずれも確定した数値ではない。同社は、関係各国の競争法当局による審査の進捗やクロージングまでの為替変動により利益の規模と計上時期が左右されるため、2027年3月期の連結業績予想への影響を合理的に算定できないとしている。
