東京都産業労働局は、ブロックチェーンを活用したセキュリティトークン発行を支援する補助金の新たな申請受付を開始した。申請期間は2026年4月10日から2027年1月29日までで、予算額に達した場合は期間内でも受付を終了する。同補助金は、不動産などの資産を裏付けに分散型台帳上でセキュリティトークンを発行する企業を対象に、プラットフォーム利用料、弁護士・税理士など専門家への相談費用、システム開発の外部委託費を補助する。
補助額は申請者の区分に応じて段階的に定められる。標準的な申請者は対象経費の2分の1、事業1件当たり上限750万円を回収できる。スタートアップ(革新的な技術やビジネスモデルにより新たな市場開拓を行い、新しい価値の提供や社会課題の解決を目指す、申請時点で設立10年未満の未上場企業で、大企業が実質的に経営に参画している場合を除く)は、同じ上限のもとで対象経費の3分の2を申請できる。東京都は審査会への諮問を経て、2つの重点分野のいずれかに該当する案件について上限を1000万円まで引き上げることができる。重点分野とは、これまで十分にトークン化が進んでいなかった資産を対象とする取り組みや先進的なスキームの構築により個人に新たな投資機会を提供するもの、あるいはステーブルコインとの組み合わせなどデジタル技術を活用して個人に新たな投資体験を提供するものである。都の以前のセキュリティトークン発行支援補助金を既に受給した企業が再度申請する場合は、上限は300万円とより厳しく設定される。
| 申請者区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 標準的な申請者 | 対象経費の2分の1 | ¥7.5mn |
| スタートアップ申請者(未上場、設立10年未満) | 対象経費の3分の2 | ¥7.5mn |
| 重点分野案件(都認定) | 上記申請者区分と同率 | ¥10mn |
| 以前の発行支援補助金受給者(再申請) | 対象経費の2分の1 | ¥3mn |
補助対象となるには資金面以外の要件も満たす必要がある。申請者は、トークン発行に必要な金融商品取引業や不動産特定共同事業に関する免許・許可等をすでに取得していること、東京都内に登記簿上の本店または支店を有すること、同一事業について同一年度内に国や他の自治体から別の補助を受けていないことが求められる。事業は原則として2027年3月31日までに投資家からの払込みを完了する必要があり、東京都は概ね1~2か月ごとに面接方式の審査会を実施し、発行体1社当たり最大1件の補助金を採択する。
細則には実効性のある規定が設けられている。受給者が不正な手段で資金を得た場合、資金を他の用途に使用した場合、交付条件に違反した場合、反社会的勢力との関係が生じた場合、あるいは投資家からの資金の払い込みが実現せずトークン発行が完了しなかった場合には、東京都は交付決定を取り消し、返還額に対して年10.95%の違約加算金を付して返還を求めることができる。また都は、補助対象となったトークン化商品について保証を一切行わないことを明示しており、募集要領には都が金融商品としての適切性やリスクを評価するものではないと明記されている。選定された事業であっても通常の信用リスク、価格変動リスク、流動性リスクは存在する。申請者の問い合わせ先は東京都国際金融都市推進課(03-5320-6274)。
