東京都は介護事業所に対し、ケアマネジャー(介護支援専門員)以外の人材の雇用を補助する。都の今年度の補助金交付要綱によると、ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所は、事務職員1人あたり補助対象経費270万円を上限に、人件費の最大4分の3を申請できる。
制度は3本柱で構成される。事務職員の雇用支援が最大で、残る2つはコンサルタント活用と広報活動に対する定額上限付きの少額の上乗せ補助だ。要綱などでは、都内事業所の業務効率化と経営改善の支援を目的としている。
| 事業区分 | 補助対象経費 | 補助基準額(上限) | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 事務職員雇用支援 | 事務職員1人分の給与・福利厚生費等 | 270万円 | 3/4 |
| 経営改善支援 | 専門家(コンサル等)派遣経費 | ¥400,000 | 10/10 |
| 広報活動支援 | 利用者確保のための広報活動経費 | ¥300,000 | 10/10 |
補助対象の要件
事務職員雇用支援の対象は、今年度に新規採用または既に雇用している事務職員1人分の給料、賃金、法定福利費、福利厚生費、賞与、手当。残業代は対象外となる。勤務場所は申請法人が運営する都内の事業所で、その事業所の事務業務のみに従事することが条件だが、他法人が運営する事業所を含め、他の事業所の事務業務を兼務することは認められる。1年以上の勤務が見込まれることが必要で、常勤・非常勤の別は問わない。
コンサルタント活用の枠は、経営改善の取り組みに外部の専門家を利用する費用を補助する。要綱では、加算の新規取得、職員の待遇改善、事業所の大規模化や協働化、小規模事業所の事業継続に向けた代替措置の整備を挙げている。広報活動の枠は利用者確保のための費用が対象となる。交付申請書の記入例では、3つの枠の合計申請額として272万5000円が示されている。
スケジュールと資金繰り
交付申請の締め切りは2026年12月28日で、実績報告は2027年1月12日から受け付ける。一方、Jグランツの掲載情報では申請期間が2026年10月28日から2027年3月19日までとなっており、申請者は東京都介護保険課に締め切り日を確認する必要がある。
補助金の入金は後になる。事業完了後、報告された実績に基づき知事が交付額を確定してから支払われる仕組みで、事業は交付決定を受けた会計年度内に完了しなければならない。事業所側はまず人件費を先行して負担する必要がある。また、補助金は都の予算の範囲内で交付され、要綱に予算総額は明記されていない。
注意すべき交付条件
申請事業者は同一の対象経費で民間の補助金を重複して受給することはできず、帳簿や領収書などの証拠書類を事業完了後5年間保管しなければならない。都の実地指導で指摘を受けた事業所については、改善状況報告書が提出され、改善が確認されていることが要件となる。
返還にはペナルティーが伴う。虚偽の申請や補助金の目的外使用、交付条件への違反により知事が交付決定を取り消した場合、受給事業者は補助金を返還した上で、受領日から年10.95%の違約加算金を納付しなければならない。返還が遅れた場合の延滞金にも同じ利率が適用される。交付決定の内容や付された条件に異議がある事業者は、交付決定通知の受領後14日以内に申請を撤回できる。
