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ソニー生命の不正被害が5640万円に到達、金融庁が立入検査を通知

ソニー生命の内部調査で、顧客21人から計5640万円の保険関連の不正行為と、顧客17人から計1億2420万円の別の不適切な資金移動が確認された。同社は専属代理店による販売網を廃止する一方、金融庁から立入検査の通知を受けたとしている。

2026年9月11日3分で読めるソニーフィナンシャルグループ8729
シャッターが下りた保険代理店の窓口の隣に、郵送された顧客確認通知の束の上に置かれたコールセンター用ヘッドセットを描いた編集イラスト

ソニー生命保険は、営業職員の行為について数カ月にわたり実施してきた調査で顧客に対する新たな不正行為が確認されたと発表した。これにより、保険関連の窃取が確認された累計額は顧客21人から5640万円に、別枠の不適切な資金の移動は顧客17人から累計1億2420万円に達した。ソニーフィナンシャルグループ(8729)傘下の同社は2026年9月11日、8月末時点の「お客さま確認」調査の状況としてこれを開示した。

2026年4月に開始した今回の調査は、契約者約280万人を対象とする。うち約9万人はソニー生命の専属代理店網が担当した契約者で、確認作業はおおむね完了した。残る271万人は営業職員が直接担当した契約者で、確認作業は依然として進行中である。

ソニー生命の不正行為確認件数(2026年8月末時点)
ソニー生命が2026年9月11日に公表した内容に基づく、お客さま確認調査で新たに確認された件数と、過去に開示済みの事案を含む累計件数の比較。
区分関与した職員数影響を受けた顧客数詐取額
保険関連の不正行為(新規確認分)26¥21.9mn
保険関連の不正行為(累計)421¥56.4mn
その他の不適切な資金移動(新規確認分)23¥5.5mn
その他の不適切な資金移動(累計)617¥124.2mn

新たに、元営業職員2人が顧客6人から計約2190万円を詐取していたことが確認された。ただし両者の手口は異なる。千葉支社の1人は、2021年半ばから2023年末にかけて保険契約の面談の際に、実際には運用する意図のない外部投資や資産運用を口実に金銭を集め、私的に流用していた。姫路支社のもう1人は、2023年から2024年にかけて顧客に別の商品への切り替えを持ちかけて契約を解約させ、その解約返戻金の一部を着服していた。さらに、元営業職員2人(うち1人は上記の保険関連の不正行為でも名前が挙がっている)が、保険業務とは無関係の投資話や個人的な貸し借りを通じて顧客3人から計約550万円を詐取していたことも新たに確認された。ソニー生命は、在職中の行為について社内規定に基づき当該職員を懲戒処分としたとしており、弁護士など外部専門家の助言も得ながら個別に対応を検討し、影響を受けた顧客への対応を進めているとしている。

代理店側については、専属の「プレミアエージェンシー」網が担当する顧客約9万人の中で金銭に関わる不正は確認されなかったものの、代理店7社が同社の求める事前通知を行わないまま顧客に外部の投資商品を紹介していたことが判明した。ソニー生命は4月、専属代理店制度そのものを廃止する方針を明らかにしている。

契約者への連絡として、ソニー生命は5月から7月にかけて約286万件の電子メールを送付したほか、4月から8月にかけて約166万件の郵送通知を発送し、5月から8月にかけて約30万人の顧客に電話をかけた。6月3日からは専用の注意喚起ページを自社サイトに開設している。11月末までに対象となる全顧客への連絡を完了する見通しで、次回の進捗報告は12月中旬を予定している。

ソニー生命は、いわゆる「密室」化した個々の担当者への依存を是正するため、本社と契約者との直接的な接点の再構築にも取り組んでいる。同社は5月、こうした依存が顧客保護や不正防止において重大なリスクとなり得ると指摘しており、確認された事案の原因分析は現在も続いている。2024年11月以降、営業職員は自身が取り扱える商品と取り扱えない商品を事前に説明することが義務付けられており、同社は今後、各担当者の取扱範囲をデジタルで表示するとともに、新規の申し込みについては本社が電話で確認する体制を導入する方針だ。

ソニー生命は別途、保険業法第129条第1項に基づく立入検査を実施する旨の通知を金融庁から受けたことを明らかにした。同社が4月から続けてきた内部調査に加え、さらに一段踏み込んだ対応となる。ソニーフィナンシャルグループは、今後の調査結果次第であり、連結業績への影響は現時点で未定としている。