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DMG森精機、四半期受注が過去最高 通期受注見通しを引き上げ

DMG森精機の7〜9月期受注額は過去最高の1868億円に達し、通期受注見通しを6500億円以上へ引き上げた。一方、通期の売上収益と利益の予想は据え置いており、最終利益の前年比較は前期の保険金収入で歪んでいる。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月30日3分で読めるDMG森精機6141
工場内で金属部品を切削する5軸工作機械と、その後方に並ぶ機械フレームの列。

工作機械メーカーのDMG森精機(6141)では、損益計算書上の業績を上回るペースで受注が拡大している。同社によると、7〜9月期の受注額は1868億円と四半期として過去最高を記録したほか、通期の受注見通しを従来の6300億円から前期比24.2%増にあたる6500億円以上へと引き上げた。通期の業績予想は据え置いた。

受注、3回連続で過去最高

1〜9月期の連結受注額は5220億円と、2025年同期比で36.7%増加した。四半期別では1〜3月期が1554億円、4〜6月期が1798億円、7〜9月期が1868億円と推移しており、同社によると各四半期で過去最高を更新した。

DMG森精機によると、5軸加工機や複合加工機、自動化関連の需要が牽引したほか、ベーシック機の受注も大きく伸びた。機械1台当たりの平均受注単価は8060万円となり、2025年平均の7960万円を上回った。メンテナンス・リペア・オーバーホール(MRO)やスペアパーツ、エンジニアリング部門の受注額は15.6%増の1073億円だった。同社によれば全地域で伸び率が10%を超え、特に好調な業種として航空宇宙、防衛、医療、エネルギー、造船、半導体関連を挙げている。

受注残は計上済みの収益ではない

機械本体の受注残高は、2025年12月末の2400億円から9月末には3280億円に拡大した。DMG森精機は、長納期案件の受注が10〜12月期および2027年、2028年の収益に寄与すると見込む。ただし、これは同社の見通しであり、すでに計上された売上収益ではない。

損益計算書に計上された実績数値は受注額より小さい。1〜9月期の売上収益は23.2%増の4227億円、営業利益は46.3%増の169億円だった。一方、税引前四半期利益は49.6%減の119億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は58.7%減の87億円となった。

最終減益の背景に保険金収入

最終減益は前年同期との比較によるものだ。2025年の対象期間には、ロシア事業であるUlyanovsk Machine Toolsに関連して非継続事業に計上された保険金収入169億円(1億200万ユーロ)が含まれていた。DMG森精機は同事業を非継続事業に分類しているため、売上収益と営業利益からは除外される一方、税引前利益と最終利益には含まれる。継続事業からの四半期利益は84億円と、前年同期の42億円から倍増した。

通期業績予想は据え置き

2026年12月期の通期業績予想は、売上収益5800億円、営業利益300億円、親会社の所有者に帰属する当期利益155億円で据え置いた。当期利益は、一過性の保険金収入172億円を計上した前期に比べ35.5%減となる。年間配当予想も1株当たり105円で変更はない。

また同社は8月、海外募集による新株発行で約480億円を調達した。調達資金は長岡工場やポーランド工場の生産能力増強、研究開発・ソリューションセンタへの投資のほか、主要部品の内製化や将来の買収・提携に充てる計画だ。

このほか、DMG MORI AGの外部株主が提起し長期化していた株式買取価格などを巡る再評価申立てについて、ドイツの裁判所で手続が終結した。買取価格は1株当たり37.35ユーロ、年間補償額は1.28ユーロで確定した。DMG森精機は、この決定によって新たな負債や費用は発生せず、当期業績への重要な影響はないとしている。