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大和証券グループ本社、上期経常益69.9%増 オリックス銀買収でのれん計上

大和証券グループ本社の上期経常利益は69.9%増の1664億円となった。一方、3852億円を投じたオリックス銀行の買収により、20年間で償却するのれん1034億5000万円が発生し、グループの貸出金と預金の残高が拡大した。

執筆:Tokyo Brief Desk2026年10月30日3分で読める大和証券グループ本社8601
20段の階段の横に組み合わせて積まれた2つの銀行元帳の山。買収した銀行の貸出金と預金、および20年間で償却されるのれんを表している。

大和証券グループ本社(8601)の中間期決算短信によると、2026年9月30日までの6カ月間(中間期)の連結経常利益は前年同期比69.9%増の1664億円となった。純営業収益は35.5%増の4443億円、親会社株主に帰属する中間純利益は36.6%増の1078億円だった。経常利益は特別損益計上前の利益を示す。同期間にはオリックス銀行をグループに迎え入れ、損益計算書以上に貸借対照表を大きく変動させた。

オリックス銀行買収がもたらした影響

完全子会社の銀行である大和ネクスト銀行は、2026年4月27日付でオリックスと締結した株式譲渡契約に基づき、同年8月3日にオリックス銀行の全株式取得を完了した。みなし取得日は7月1日で、7月1日から9月30日までのオリックス銀行の業績が連結決算に反映されている。

オリックス銀行買収の概要
出所:大和証券グループ本社の中間期決算短信(企業結合に関する注記)。金額は企業結合日時点。
項目内容
買収主体大和ネクスト銀行(大和証券グループ本社の完全子会社)
完了日2026年8月3日(みなし取得日:2026年7月1日)
取得対価全株式(100%)に対し現金3852億円
のれん1034億5000万円、20年間で均等償却
その他の無形資産244億円、種類に応じ3〜21年で償却
受け入れた資産3兆2900億円(うち営業貸付金2兆7700億円)
引き受けた負債3兆100億円(うち銀行業における預金2兆5100億円)
アドバイザリー費用1億3300万円

取得対価として現金3852億円を支払い、のれん1034億5000万円を計上した。同社は発生原因を主に将来期待される超過収益力としている。のれんは20年間にわたり定額法で均等償却する。9月末の連結のれん残高は1171億円と、3月末の161億円から拡大した。

これに伴い貸借対照表も拡大した。総資産は3月末の38兆800億円に対し40兆4100億円となった。営業貸付金は3兆6100億円に対し5兆5400億円、銀行業における預金は5兆400億円に対し7兆5000億円となった。決算短信では、こうした増減についてオリックス銀行の連結分と既存事業の変動分を分けていないが、企業結合日に受け入れた金額として営業貸付金2兆7700億円、預金2兆5100億円を開示している。

業績の伸びとその限界

決算説明資料によると、経常利益と純利益は上期として過去最高を更新し、全セグメントが増益となった。大和ネクスト銀行の経常利益は117.8%増の219億円に伸びた。オリックス銀行は、ウェルスマネジメント部門の連結経常利益にのれん償却額控除後で67億円寄与した。

第2四半期単独では第1四半期から減速した。オリックス銀行の業績が四半期を通じて寄与したにもかかわらず、経常利益は前四半期比11.2%減の783億円、純利益は8.8%減の514億円となった。販売費・一般管理費は7.1%増の1530億円となり、決算説明資料では主にオリックス銀行の連結に伴うものとしている。委託手数料は第1四半期から24.4%減の264億円に落ち込んだ。

配当

取締役会は1株当たり中間配当を前年同期の29円から39円に引き上げることを決議した。配当金総額は544億4000万円で、支払開始日は12月1日。同社は配当性向を50.3%としている。期末配当は未定。

同社は半期ごとに配当性向50%以上を基本方針とし、2027年3月期までは通期の1株当たり配当金の下限を44円に設定している。証券業の業績は相場環境に大きく左右されるとして、業績予想は公表していない。44円という水準は配当の下限であり、利益予想ではない。

中間期決算短信は監査人によるレビューの対象外。同社は11月12日に半期報告書を提出する予定だ。